Sho Fukutomi / 福冨渉 / โช ฟุกุโตมิ

タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者、タイ語講師などをしています。タイ文学の情報発信とか、翻訳作品の公開などもしていければと思っています。 https://www.shofukutomi.info/

Sho Fukutomi / 福冨渉 / โช ฟุกุโตมิ

タイ文学研究者、タイ語翻訳・通訳者、タイ語講師などをしています。タイ文学の情報発信とか、翻訳作品の公開などもしていければと思っています。 https://www.shofukutomi.info/

マガジン

最近の記事

タイのブックフェアが拡大しつづけている(2024年10月23日の日記)

10月21日に終わったタイのブックフェア(ブックエクスポ)、11日間での入場者が140万人、売り上げが4億3800万バーツ(いまのレートだと20億円くらい?)で15%の伸び。 もっとも多かったのはこの土曜日19日で、入場者236,686人(過去最高162,135人を更新)、売り上げが1億バーツ(4.4億円くらい?)とも。 売り上げジャンルは1位がマンガの40%、2位が小説30%、3位が心理・「癒やし」(ฮีลใจ)20%、その他が10%とのことだけれども、まあこれはあと

    • タイのブックフェアの統計を読んだ(2024年10月16日の日記)

      このあいだゲスト講義したときの準備で今年4月のブックフェアのちょっとしたデータを見ていたのだけれども、12日間の来場者数が125万人で、コロナ前にはまだ届かないが、それでも回復傾向。出展者数は300ちょっとでコロナ前より減っているが、ブース数は900程度で、これは出展者数の低下に比べるとほとんど減っていない(ひとつの出展者が複数ブースを出している)。売り上げはむしろ増えていて、およそ4億バーツ。コロナ前数年で特に高かった2018年よりも増えている。 いまやっているブックフェ

      • 2024年10月11日の日記

        ハン・ガンがノーベル賞をとったこと、アジアの女性作家がノーベル賞をとったことは大変めでたいと思う一方、基本的には英語にならない限り非西欧・非英語地域が「認められない」のが厳然たるリアリティであることに変わりはなく、結局だれのためになんのために文学賞で盛り上がるんだろうと思ったりもする。Tilted Axisを褒めそやしていいの?とも思う。でもそうやって認知されていくこと、「権威」付けされること、読まれていくこと(売れていくこと)に意味と力が宿るときがある、というのも当然そう。

        • 「すべての人々よ、団結せよ」:タイのHIPHOPプロジェクト〈RAD〉がアゲンストするものとは?

          2018年11月14日に i-D JAPAN で公開された記事です。サイトの閉鎖に伴い、もとの下記URLでの閲覧ができなくなってしまったため、一時的にこちらに再掲します。https://i-d.vice.com/jp/article/439v3n/hiphop-project-rap-against-dictatorship ギターのリフが鳴るのと同時に、画面の左からラッパー、リベレイト・P(Liberate P)が登場する。後景には、なにかに向かって快哉を叫ぶ群衆。リベレ

        マガジン

        • 日記
          11本
        • 翻訳・アーカイブ
          2本
        • 告知
          8本
        • ニュース
          2本
        • 感想
          2本

        記事

          しみしみ(2024年1月22日の日記)

          中学と高校の時にバンドを一緒にやっていたHが夢に出てきた。 ずいぶん長い通路を歩いていったあとにふたりで地下鉄に乗った(乗ったら窓から外が見えた)。ふたりの隣に小さな子連れのお母さんが座り、子どもの食事の話をしていたのだが、お母さんのほうが「最近ご飯食べるとこの子はしみしみしちゃって……」と言ったところ、Hのほうも自然に「ああしみしみしちゃうとね……」と応答していて、ぼくひとりが取り残されて混乱した。 しみしみって何だったんだろうか。そもそも別にHを思い出すようなことも何

          2023年12月1日の日記

          病み上がりで念のため保育園おやすみで腐る5歳児と散歩。写真が少しずつ撮れるようになってきた。病み上がりの散歩は気づけばなぜかいつも花屋に行っているんだけど、今回はふわふわのケイトウを買った。 10月11月はなかなかしんどくて、というのもどうもあらゆることの歯車が噛み合っていないみたいに、何をしてもどうにもズレて、思い通りの結果が出ず、ひとつ終わったと思ったら次の壁が出てくる感じだった。それぞれそんなもんだと思って受け入れていたが、それが続いて溜まっていくとそれなりにしんどい

          左脳が痛い(2023年6月19日の日記)

          左脳には言語野があってみたいな話はよく聞くわけだけど、実際ちょっとヘビーな通訳が終わると大体左の頭だけ痛くというか、重くなることが多く、結構関係あるのかなと思ったりする。 今回、自分的にいろいろ当たりをつけて検討して、えいやで訳してみたところがドンピシャでよかったところがあったのだが、そこに気がついてくれた方がいたようなツイートを見かけてありがたかった。 いやしかし、何度も書いているのだけど、1万人とか来ているお客さんが、タイ語の歌を合唱してんの、マジでびっくりしてしまう

          左脳が痛い(2023年6月19日の日記)

          津田塾大学「総合」で講演(2023年5月18日の日記)

          津田塾大学の学生さんのお誘いで、外部講師がリレーで講演する「総合」という授業に登壇した。運営からなにから基本的には学生さんが全部やっている、なかなかおもしろい授業。 しかし授業全体の今年のテーマというのが「自分軸」ということらしく、ざっくりいうと、タイ語翻訳と自分探しを関連させて話すみたいなことが求められており、いやそりゃ難しいなあという感じだった。そもそもこういうキャリアとか自分のことを話すタイプのものって、もう少し年齢が上のひととかが登壇するもののような気もして。 し

          津田塾大学「総合」で講演(2023年5月18日の日記)

          BUNBOU WEBで新連載

          BUNBOU WEBのnoteで新しいコラム「タイBL考現学」がスタートしました。 タイのBLドラマ作品の社会的文脈を読み解いたり、原作小説と読み比べたりするようなコラムを、大体月1ペースで書いていく予定です。 第1回目は導入編ということでタイのBL・やおいカルチャーの歴史を簡単に振り返ってみました。 BLドラマをふだんご覧にならない方でも、タイ文化論として興味深く読めるのではないかと思います。 このお仕事、受けるかどうかめっちゃ迷っていたのですが、やるとなったらがん

          年賀状と自撮り(2023年1月7日の日記)

          こんな時代ではあるが、毎年それなりの枚数の年賀状を出している。多くの知人友人の例に漏れず、子どもが生まれてからは子どもの写真を使ってばっかりだ。 そのことに特に疑問もなかったのだが、今年ふと(「みてね」で年賀状を注文したのが届いたあとに)、いや自分たちの近況なんだから、子どももいいけど自分たちの写真も載せるべきでは??と強く思い始めてしまった。妻に言ったけど、いらんでしょと一蹴された。 子どもがいるところはほとんどが子どもの写真だけというのが多く、まれに家族みんなで写って

          年賀状と自撮り(2023年1月7日の日記)

          洗顔ネット/農協ヨーグルト/ブロッコリー・レボリューションとF4 Thailand(2023年1月5日の日記)

          今年はもっとダラダラ、仕事とは関係ないnoteなんかを書きたいなと思っている(思っているだけ。どれだけ書けるやら)。 2023年1月5日の日記。 ・洗顔ネット 近所のいなげやで洗顔ネットを買った。 去年の後半だと思うが、NHKで、石原さとみが洗顔の仕方を学んでいた。どこかの美容部員のひとが、1日2回、ぬるま湯でめちゃくちゃしっかり泡を立てて洗うんだ、ぬるま湯というのは思っているより温度が低いんだという話をすると、石原さとみが、わたしぜんぜんこんなちゃんと洗顔してなかっ

          洗顔ネット/農協ヨーグルト/ブロッコリー・レボリューションとF4 Thailand(2023年1月5日の日記)

          今年やれたこと+来年やりたいこと

          柄にもなく1年を振り返ったnoteを書いた。 今年やれたこと・意外と生活できた(仕事があった) 9月に会社を辞めて10月からフリーに戻った。辞めたはいいものの仕事が全然なかったらどうしようと思ったが、ほとんど杞憂に終わり、ありがたい限り。たぶんもっと増やそうと思えば増やせるはずなのだが、いまの子育て中心の時間の使い方だと、これ以上増えるのはかなり身体に無理が来そう。この辺のバランスが難しい。 ・自己肯定感を高めに保てた(主に年の後半) 基本的にぼくの人生の問題はほとん

          今年やれたこと+来年やりたいこと

          2022年のふりかえり

          寝違えと子どもからもらった胃腸炎で10日近くまともに仕事できていないので、ウェブの更新ついでに、今年の、名前が出てる+公開の仕事をまとめました。 「東南アジアの映画を知ろう<ベトナム・タイ・ミャンマー編>:(第2回)タイの映画を知ろう」、東京外国語大学オープンアカデミー、秋期間。(公開講座) プラープ「生ごみ少年泰無頼」、YOMU。(翻訳) チラット・プラスートサップ「恐竜に落ちた男」、YOMU。(翻訳) プラープダー・ユン「タイ社会における『読む』ことの神話」、YO

          ちょっとした告知×3(読売新聞インタビュー/NHK World 出演/『タイ国情報』執筆)

          ぷち告知が3つほどです。 ①『絶縁』インタビュー アジア・アンソロジー 『絶縁』(小学館) ですが、 発売前に読売新聞で記事が出ていまして、 福冨のインタビューもほんとに一言だけ掲載されていました。もともと夕刊記事だったのですが、ウェブのURLを貼っておきます。 『絶縁』の紹介記事はこちら。 ②NHK World タイ語放送出演 昨日から3週連続で、NHK Worldのタイ語放送、Listners' Forum(ดนตรีพาเที่ยว)という日曜のトーク番

          ちょっとした告知×3(読売新聞インタビュー/NHK World 出演/『タイ国情報』執筆)

          アジア短篇アンソロジー『絶縁』

          小学館のアジア短篇アンソロジープロジェクト『絶縁』、紙の書籍が本日発売です。 韓国を代表する若手作家チョン・セランさんと芥川賞作家・村田沙耶香さんとのやりとりから始まったプロジェクトは、アジア9都市の同年代の作家9人がひとつのテーマ「絶縁」をもとに競作する壮大なものになりました。 ぼくは、タイの作家ウィワット・ルートウィワットウォンサーの書き下ろし短篇「燃える ลุกไหม้」を翻訳しています。 プーケットとバンコクを舞台に、タイ国内の分断と、民主化運動と、コロナ禍と、

          アジア短篇アンソロジー『絶縁』

          POPEYE Webでコラムを4回書いた

          先月になりますが、POPEYE Webの「タウントーク」というコーナーで、短いコラムを短期連載しました。全4回。 短い間隔で連載するという経験は初めてだったので大変でした。字数のしばりも特になかったので、シンプルに終わらせようと思っても内容は膨らんでいくし、どうしても自分の話になるんだけれども、書いていくうちにどんどんウェットな内容になっていくしで、とにかく難しかったです。 パキッパキッとしながらも読ませるエッセイやコラムを書かれる方ってすごいなと、改めて思いました。とは