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2022/3/21週|300名以上のマーケターの面接を経ての気づきと、面接で具体的に実施していること
2016年に初めて事業会社のマーケティング職に転職して以来、今度は採用する側として、書類選考〜面接を担当させていただく機会が増えていきました。
書類選考はこれまで1,000枚、面接も少なくとも300人 ~ 400人くらいはお会いしてきたと思います。
今日は、マーケターの中途面接・転職面接について経験を積む中で感じたことについて書いてみたいと思います。
面接とはすり合わせの場
まず、「 面 接 」と聞くとどうしても応募者が面接官に色々と質問をされて見極められる一方通行な場というイメージがある方もいるかと思いますが、自分は、面接官サイドの役割期待と応募者の意向がフィットするかをすり合わせるために、お互いが情報を提供する場と捉えています。
なのでもちろん面接官からの見極めもあるのですが、応募者からの見極めもあります。面接官は見極めるための情報提供をするべきですし、応募者も見極めるために深掘りの質問をしていくべき、というのが自分の考えです。
昨今、人材の流動性が高まり動きやすくなっているとはいえ、転職の面接というのはその方の人生に影響を与えるものでもありますし、マーケターは少ない人数で構成されることの多い組織なので、必要十分にすり合わせることに力を注いだ方が良いというのが、これまでの経験則です。
では、何をすり合わせるか?(この記事では待遇などの条件面は割愛します)
面接官としてすり合わせたいこと
面接中には、大きく2つのすり合わせを意識しています。
❶Job Description(言語化された役割期待)への合致度
当然募集要項を出しているので、その内容との合致度はすり合わせされるべきです。その中でも個人的に知っておきたいなと思うポイントをあげるとすると、下記になります。
①課題を見つけられるのか、その課題を周囲に共感・納得させられるのか(特に役職者レイヤー)
②課題に対するアプローチをいくつか描き、方針の策定に落とし込んでいけるか(特に役職者レイヤー)
③課題解決に関するスキル:ハードスキル
④得意な仕事は何か
チームとしての表面積・多様性が広がるかという観点
少し抽象化された「例. 型化するのが得意です」「例. 形にするまでにスピードが速いです」など、ハードスキルとは少し異なる、その方の特性に近い部分を聞きたいと思って質問します
ここで留意しながら面接を進めた方がいいかなと思うのは、職務経歴書に記載されている内容は③のようなハードスキルに関するものが多いように思います。なので、それをガイドラインに面接を進行しすぎるとハードスキルの話で終始してしまうことがあります。
他の項目のすり合わせが落ちないように留意すると良いかなと思います。
自分の場合は限られた時間の中で上記① - ④に含まれる、チーム全体としてパワーアップするかや、下記の❷もすり合わせをしたいので、上記③のハードスキルの深掘りは二次面接の申し送り事項としてしまうケースもよくあります。相対的な優先度を③よりも①・②・④に置いているということです。
①や②に関してはよく言われる話ではありますが、実際にはやはり希少性を感じる部分です。若手レイヤーだと大きな方針は経営陣・マネージャー陣が決めたりすると思うので全体方針につながるような課題発見は難しいというのは確かにわかります。
ただ、日々の業務の中でも自ら課題を設定し、上司なりに進言するのはできるので、そうした積み重ねが希少性につながるのかなと思います。
❷会社と個人の志向性(ベクトル)の合致度
すり合わせの2つ目について。
会社に在籍してもらうことが会社にとってもパワーになるし、個人としてもパワーになる(会社のためにやることが個人としてもアセット化される余地があるのか)状態を理想とするため、この視点を持って面接をしています。
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(「パワー」連呼していたので、なかやまきんに君のYouTube見たくなってきました。どうぞ)
ベクトルの合致度をすり合わせるために必須なのは、こちらからも面接官として会社のことを候補者の方にプレゼンし、候補者が吟味に十分な情報を提供することです。
自分の場合はGoogleスライドを使い、会社のMVV・プロダクトの意義・自社のマーケティング職が担う(あなたと担っていきたい)役割・自社のマーケティング職ならではの魅力、を面接の中でお伝えするようにしています。
その上で、
事業への共感ができそうかどうか(シンプルに「好きな事業」か)
その方のキャリアにとって自社が叶えられそうなところはあるか、moreや懸念があるとしたらどこか
そもそものキャリア志向はどうか
スペシャリスト型なのか、プロデューサー型なのか(参考:マーケティングのスペシャリスト型?プロデューサー型?)
キャラクター
カルチャーフィットしそうかどうか。チームとの相性はどうか。
あたりをすり合わせていきます。
これらはすべて会社が用意できるフィールドのうち、どこで眩い輝きを放てそうかをイメージするために行います。
上記の観点をすり合わせておかないと、オファーする際に役割期待があいまいになってしまい、入社後のオンボーディングだったりPJへのアサインへの精度が低くなり、Win-Winにならない可能性が上がってしまうのではないかと考えています。
さいごに:面接官の経験は財産になる
面白いもので、面接官をやればやるほど、応募する側としても良い時間が過ごせるようになると感じます。これは面接官としてすり合わせたいポイントが明確になっているためと思われます。(もちろん上記の内容は人によってばらつきはあると思いますが、一定の普遍性もあると考えます。)
こういうこと聞きたいんだろうなというのがわかるので、事前の準備の精度が上がります。
そうすると、前提の重なりが大きい状態で、更に理解を深めたいことに時間を使えるようになり、応募者としての精度の高い判断がしやすくなります。
これから先、もっと人材の流動性が上がる世界になっていくと思います。そんな時には面接における相互理解の力も持てていると良いですよね。
ではでは、今週はこの辺で。
この後また夢でお会いしましょう、アディオス。
この記事について
株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川と申します。
マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。
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