本屋さんと、たこ焼きと
夜のあかるさ。本屋さんは、すぐわかる。暗いと文字がわからないから。まちあわせ・通りすがりにチラ見する。便利で、あかるい本屋さん。
駅前の本屋さん
戦後の闇市から出発したせいなのか、昼も夜も暗い駅前。通称・裏の改札。2階に近鉄電車、3階にJRが通る鶴橋駅。
大通りにも改札はあるが、排気ガスとアスファルトで台所のオーブンのようです。やっぱり本屋さんのある裏の改札がいい。
太陽の当たらない改札へもどると、名物の本屋さん。
かなりおおきい。書店ですから。
赤字で「本」の看板。こちら側は高架下で暗い。照明器具がたくさん。
平たい木の台に積まれた雑誌や本に目をやる。脂がのった肉を焼いてるにおいが鼻をくすぐる。料理の雑誌を手に取りそうに。
女性雑誌の付録は化粧品やバック。ムック本というらしい。紙だけでは売れない現実。なんとなくキムチの香りもあいまって、お腹がきゅるきゅる、してきます。
やきにくロード
本屋さんの左(西側)は、めくるめくやきにくロード。焼肉・韓国料理・串カツ。
むかしの鶴橋かいわいの白黒写真もある。柱はタイル張り。
コンクリートの天井柱とともに歴史を語る。
きょうは、突破。ひみつの、たこやき屋さんに行くのです。
ぴかぴか路地。チラチラ誘惑。こげた網の上の紅白の身が踊るのが見える。もくもく旨味。鼻をつまみ潜水モードで泳ぎきる。
一番奥の黄色いテントを目指して突進だ。ひみつのたこやき屋さんは、ここ。
たこ焼き・笑多さん
●もより駅は……
もちろん、鶴橋駅 (JR・近鉄・Osaka Metro)…西へ徒歩約3分
笑多さんは「たこ焼き」表記なので、以下「たこ焼き」です。
あなたは、たこ焼きにソースをつけるものと思っていませんか?
やはり、たこ焼は「素焼き」が、いちばん!
何もつけない「素」が、うまい店のバロメーター。
関西は「ダシ文化」なので、たこ焼の生地にダシが入っていると、ソースが要らんのですよ。
何もつけない、ツルツル頭だから「ボウズ」ともいいます。しかし、商売の隠語で売上げゼロも「ボウズ」。
例……「あかんわ、きょうは、売上げボウズや」
エンギでもないので「素焼き」・「何もなし」・「素で」
……と、オーダーします。
カウンター7席なので、さっと食べて、さっと帰るのが粋です。
やはり、笑多さんのたこ焼は、トッピング要りません。そのまま。
「素焼き」がいちばん!
買って帰ると家についたころ、味がなじんで、うまいのです。
さあ、また鶴橋駅までもどります。
鶴橋駅を照らす本屋さん
鶴橋駅の裏改札を明るく照らす本屋さん。
じつは、2023年8月31日で閉店するのです。鶴橋駅で60年ほど、営業されていたそう。昼も夜も本屋さんは、まちあわせ場所。みんなの目印でした。
いつも、たこ焼き・笑多さんに行くときに通ってたのに……。それで急きょ、たこ焼き・笑多さんと二本立ての記事になりました。
いままで明るく照らしてくれて、おおきに、ありがとう。おおきな灯が消える前に、昭和の雑誌を買いました。
たてもの。
さて、本屋さんの次はどうなるのかしら?
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。