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[書評・レビュー] レバレッジ・リーディング
時間がなくても、いやないからこそ本を読もう!
「時間がない」は言い訳だ!
読書は生産性向上や、多角的視野の形成につながる。
時間がない時こそ、読書を!
時間のつくり方、読書習慣の始め方を本書で学ぼう。
レバレッジ・リーディング 100倍の利益を稼ぎ出すビジネス書「多読」のすすめ 本田 直之著 出版社:東洋経済新報社
著者の本田直之さんは経営コンサルティング会社を経営されており、年間で400冊は読書されているとのことです。
そんな本田さんにとって読書とは「投資活動そのもの」で、読書は確実に多くのリターンをもたらす割りのいい投資と述べられています。
わずか1500円程度の投資により100倍の15万円以上の元がとれるというのです。
「本を読む時間なんてない」といいたいところですが、著者にしてみれば「本を読まないから時間がない」とのことです。
努力の末に成功した人が知識やノウハウを書いているので、読書をすることによって効率が著しく向上するということなのです。
ここで紹介される読書法は、100倍のリターンをより少ない労力で得るための最適化を図った読書法であり、読書家のための読書法とは異なるとしています。
この読書法のエッセンスを抽出すると
〇読む前に「何時間以内で読む」と決める。 時間内で読み終わらなければそこで終了する。
〇「まえがき」「目次」「あとがき」などに目を通し、その本の概略をつかむ。
〇本から何を学ぶかをはっきりと意識することで、流し読みをしても、自分にとって大事なポイントがよく目に入る。
これについては、本屋の中から好きな、あるいは気になる一冊を選ぶような感覚ではないでしょうか。数多くある中から、気になる本が何冊かでてくる。それはその本のタイトルだったり、作者だったり。「カラーバス効果」という言葉がでてきます。例えば、ある車種の車に興味をもった瞬間に、急に世の中でその車を見かける機会が多くなる。これはその車が急に町中にふえたのではなく、今までもそこにあったのに、意識をすることで、今まで意識しなかった物事が急に意識されるようになるというものです。
〇本にはポイントになる部分に線をひいたり、□でかこったり、思いついたアイデアを書き落としたり、ページの角をおるなど、本はどんどん汚していく。
〇読書時間を意識的に作る。たとえば朝起きて1時間や寝る前1時間など。
〇読むスピードは一定でなく、緩急をつける
などがあります。
本田さんは「難しすぎる本をよまず、読みやすい本を読む。しかも全部よまなくても、本の中で重要な点は20%ぐらいであることが多いから、斜め読みをしながら、気になった部分を重点的に読めばよい」としています。
もちろん難しい本が好きな方でも、使えるアイデアはたくさんあると思います。
そして読書本に共通して強調されている点が本作品でもでてきます。読んだらよみっぱなしではなく、それをアウトプットするという点です。
メモをとったり、パソコンでファイルにまとめる。そしてそれをプリントアウトするなどして、常に持ち歩き、空いた時間で読み直す。
そして実践で活用していく。
読書をする習慣のない方が、どうやれば効果的かつ負担が少なく読書を始められるかということを考える上で、非常に参考になる一冊だと思います。すでに多読をされていて、あまり苦にならない方向けではなさそうです。