ストロベリー星雲 【詩／宇宙SF】

紅いリンゴ
青いリンゴ

たくさんの星がつまったリンゴ

フルーツヨーグルトが流れる冬の銀河

（夢が叶いましたね）

二十億光年の彼方からブルーベリー波動

（こんな世界が来るとは思いませんでした）

わたしたちのシュガーキューブは
ストロベリー星雲の最高度地点に来ています

八本足でパンケーキを這いまわった時代
不法侵入のアリンコが青っぽかった時代
とうの昔に終わっています
ここから先は
三十二色のクリームがハモり合う時空

（ククク　といいにおいがするのです）

（グッドトリップできそうです）

トランジット開始（ドッキング捻れ）

燃焼　燃焼　燃焼　どどど

（とっくり目に焼きつけるのですハカセ）

外宇宙と内宇宙をつなぐハニードーナツ
アーモンドミルクの粘性が揺らぎます
量子チョコレートが純粋理性をくすぐって
パラレルワールドがグリグリ接近
深層ヘリウムに変性が見られます
イマニュエル・カントの叡智が燃える

爆音　爆音　爆音　ぼぼぼ

（ブラックホール突破です）

器官なきポエジー満ちる平行宇宙
チェレンコフ光に酩酊するラマ僧たち
ルールなき化学変化
太陽讃歌かなでる無辜の魂
荒れ野からボカロきこえる時空の岬
未来永劫に超新星爆発
甘いリンゴがうたい出す
酸っぱいダンゴが怒鳴り出す

（オレンジ色のママン
　玄妙なサフラン香るサンルーム
　野いちごのデザートがお好みのママン）

眼を閉じてしまえば
みんな誤解だったと思う僕らの宇宙
懐かしい故郷の通信が聞こえます

ついに来たよ　ストロベリー星雲