夏の記憶
先日買った雑誌「BRUTUS」の言葉特集。
そこに掲載されていたある一つの短歌が、私の夏の記憶に関するものを体現してくれた。
32歳になった小島なおさんが作った短歌。
17歳の夏を思い出すという短歌なのだろう。
偶然にも最近、よく高校生の頃を思い出していた。
夏には、あの頃を思い出させる魔法とやらの力があるのかもしれない。
私の十七個目の夏が光るのは、あの頃聴いていた曲を聴いた時だ。
高校生の頃は軽音同好会にも所属する邦ロック好き女子高生だった。
私的バンドトップに君臨するback numberを始め、地元の誇るべきMy Hair is Bad、マカロニえんぴつ、Mrs.GREEN APPLE等々、様々なバンドを聴いていた。
今回は、私の十七個目の夏が光る曲たちを紹介したい。
Mrs.GREEN APPLEのサママ・フェスティバル!
私の中での彼らの夏曲は、青と夏よりもこちら。
高校一年生の頃に発表された曲で、リリース直後通学中にリピートするほど聴いていた。
高校生になって初めての夏。なんだかウキウキしていた気持ちを思い出してくれる曲。
海とか花火とか好きな人と行けるのかな?今好きな人は運命の人だよね!
なーんて思いながら聴いていた気がする。
…なんとも甘酸っぱい。。
けれど大人になった今、響く歌詞は当時とは変わっていて。
「いつか」が来てしまった今、こうやってその夏を思い出してしまうこと。
足りないもの「目の前」にあったものたちは、大人の私にとっては今欲しいもので、でもそれに当時は気付けないんだよなぁとむず痒くなるそんなフレーズ。
残酷な程に眩しくて届かない思い出たちに目が眩みそうになる曲…。
大好きです!
ふたつめは、Galileo Galileiの恋の寿命。
夏の夜。
この曲をクーラーの効いた、カーテンの隙間から溢れる街頭で少し薄暗い部屋の中、ベッドの上で、口パクで口ずさみながら聴いていた曲。
気になる人と夜にラインをしながら、眠い中でも話はしていたい気持ちと相まって、この曲は、私の中での夏の夜の代名詞だ。
恋の寿命は三年というらしい。それをヴァンパイヤのように何百年も続けていかない?
恋を永遠にしたい思いが、当時の私の気持ちを代弁していた様にも思う。
恥ずかしくもなるけど、当時の恋は今思えばものすごく眩しくて、届かないもの。
教室や体育館で好きな人と目が合うこと。ラインで話が続くこと。何かの班で同じになること。席替えで席が近くなること。廊下ですれ違うこと。英語の授業で教科書を読み合うこと。
約束をしなくて否応なく、あえていたあの頃。
些細なことで一喜一憂していた。
決して届かないからこそ、思い出たちはときおり光続けていくんだろうな。