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書評:ジョージ・オーウェル『一九八四年』

オーウェルが描いたディストピア作品の金字塔

今回ご紹介するのは、イギリス文学よりジョージ・オーウェル『一九八四年』。

イギリスの作家、ジョージ・オーウェルの代表作であり、ディストピア作品の金字塔と目される作品である。

世界が3つの超大国によって治められる架空の時代。その中の1つ、オセアニアにおける監視社会の実態と、その支配に疑問を持つ主人公の顛末を描いた作品である。

一挙手一投足が「テレスクリーン」(双方向通信タイプのテレビ)によって監視される。

思考が用いることができる概念を減らして思考力を制限するために、創出される「ニュースピーク」。

疑問の根を絶ち、矛盾を受け入れることをよしとする「二重思考」の徹底。

現在の支配に都合のいいように、過去の記録が逐次塗り替えられる。
恋愛も禁止、結婚も不自由。

主人公も遂に権力の毒牙にかかり、洗脳されてしまう。
その過程は戦慄すら覚える。

監視社会の恐怖を、その具体的な方法論と共に余すところなく伝えた力作である。

特に監視と支配の方法論が具体的にいくつも登場する点が、人間社会の支配の本質を穿っていることの証左となっており、オーウェルの炯眼には脱帽である。

読了難易度:★★☆☆☆
監視社会の恐怖描写度:★★★★☆
監視と支配の方法の具体度:★★★★☆
トータルオススメ度:★★★★☆

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