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THE GREAT HUNTER 改訂作業
この度投稿しているTHE GREAT HUNTER を大幅改訂いたします。ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございます。
これから全話改訂いたします。しばしお待ちを。
この投稿は改訂作業が終わり次第削除いたします。
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 幽玄の章 1.始動
それは心からの渇望であり、最も欲しかった現実。それ故に皆虚構へ逃げる。それを乗り超えた先にあるのは、何なのであろうか。
~???~
一面の白い景色とそこかしこに並べられた椅子。そこには何かが座っていて空きなどない。その中心に私はいた。
そこは牢屋があり、金属の首と手首と足首に輪がかけられている。その輪には鎖が繋がれていた。さながら囚人だ。平服を着せられ、木でできた机と椅子がある。その空
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 霧雨の章 1.盲目
黒騎士編 霧雨の章
霧の中、止まぬ雨、日常は過ぎていく。気を付けると良い、見えづらければ足をすくわれやすいのだから。しかし今宵は分かっていても抜け出せない。
晴れた日の午前はまだ霧深い。この町は発展しており、都会と呼べるものだ。
「だからぁ、納期まで時間がないんですって。以前から話したでしょう?」
「伸ばしてくれる約束じゃないですか!それを基準にしていたから無理ですよ!」
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 聖魔村の章 5.恐怖と怒り
~フォルレジス~
俺は獣人達が寄ってこない様に教会に火をつけた。シスと呼ばれた化け物が、
「悪魔…彼方は悪魔よ‼」
と叫んでくる。その言葉に俺は静かな殺意を込めて、
「そうだ、俺はお前たちのような奴らを殺す化物だ、お前も地獄に落ちろ。」
そんな俺たちのやりとりを終えた後ユウカが、
「どうするの、このままじゃボルコスも死んじゃうよ。」
と、心配そうな顔で聞いてくる
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 聖魔村の章 3.獣たち
元居た廃村の家の中で焚火を囲み、ボルコスが話し始めた。
「俺が旅をしている理由は、この村に来るためだったんだ。」
「何故だ?」
「あんたら、この廃村にいたんなら、妙に毛深い人を見たことあるか?」
ボルコスのその問いにユウカが驚いた顔をして口を開く。
「あったよ、それがどうしたの?」
するとボルコスが苦いものを食べた後のような表情をする。
「やっぱりか、実はこの村が滅んだ理由はそ
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 聖魔村の章 2.殺人
~フォルレジス~
目が覚めると、知らない天井で寝かされていた。
「ユウカ、どこだ!」
叫びかけても誰も答えない。だが、焚火の跡があり温かいことから、最近ここに人がいたことも確かだった。扉に手をかけ、開ける。その瞬間、
「死ねえ!」
と見知らぬ男が歓喜の笑みを浮かべて短刀をこちらに振り下ろす。俺は一歩引いてそれを躱し、短刀は真っ白な弧を描く。
「ッチ!逃げるな‼」
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 聖魔村の章 1.小さな英雄
黒騎士編 聖魔村の章
人は、何故見た物だけを絶対の真実と語るのだろうか?一つしか考えられられないのか?
~ユウカ~
朝、今の時期は日が照っていても寒い。
「やった。これで数日は持つかな。」
頭に深々とナイフの刺さった鹿をククリナイフと呼ばれた短剣で血抜きをし、引きずりながら廃村のとある家に戻る。
「ただいま、フォル。」
しかし誰も答えない。あの森の一軒から2,3日。私はフォ
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 無明長夜の章5.彼女
ふと、耳障りな声音が聞こえる。
「そんな、自分の中で最も大切なもの。それをちゅうちょなく殺すなんてどうかしてるわ。人は心に付け込めば簡単に壊れるはずなのに。」
幻覚を見せる怪物女がそう叫ぶ。
「殺す?確かにそうかもしれない。だが俺の心の奥底に刻み込んだ。俺の、生きる力にした。」
淡々と、怪物女の疑問にそう返した。すると、分からないという風に耳をつんざく笑い声を上げながら反論してきた。
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 無明長夜の章4.最愛の人
~フォルレジス~
ユウカとのやりとりを終えたあと、彼女はすぐに眠ってしまった。日が傾くまで時間がある。俺も少し休むことにした。指以外の折れた骨はいまだに治っていない。
赤い月が差し込み、暗く青ざめた空の中、肌寒い風が吹いている、ふいに地響きが響き渡る。
「な、なに?」
飛び起きたユウカが慌ててこちらに寄って来る。そして一方を見た瞬間震え始めた。
「フ、フォル、あれ。」
ユウカが
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 無明長夜の章3.動乱の話
~ユウカ~
フォルが助けてくれた。ただそのフォルは重傷を負い、完治させることが出来たが、体力の消耗が激しいのか、目覚めるか分からない状態。特に腕がひどい状態だった。幸いなことに私でも対処できる弱い妖精のようなものしか寄ってこない。あまりここには悪い気配がしない。昨日死体の大群で一通り悪いものは倒した様だった。雲が月を完全に覆い隠し、灯りは焚火だけ。静寂が支配するこの空間に恐ろしさを覚える。私は
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 無明長夜の章2.死闘
~フォルレジス~
肉を食い終え、ぐっすり寝ているユウカを横目に火の面倒を見ていた。不穏な空気が森を纏い始めることが分かる。まるで嵐の前の静けさかの様に森は静かだ。
(そろそろ薄暗くなって来たな。)
そう思いながら、ユウカを起こそうとした。その体をゆすり、覚醒を促す。
「おい、もう夜が来る。起きろ。」
「う、う~ん。」
細い目をこすりながら傘を拾い上げ、立ち上がる。すると、足音が聞
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 無明長夜の章 1.教諭の始め
長い、長い夜。切っても、切っても夜は明けない。復讐をつづける男の辛き旅のお話。だが今は一人ではない。
~ユウカ~
盗賊と化け物を殺し、町を離れ歩いている。無言に耐えられず、私は話しかけた。
「あなた、名前はなんていうの。」
その私の問いに。彼は意外と素直に答えた。
「フォルレジス、お前は?」
「ユウカ。あなたの名前長いからフォルって呼ぶね。」
笑いかけた私に彼が問いかける。
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 復讐者の章 2.欲望の罪過
2,欲望の罪過
~黒騎士~
「俺がこの程度で死ぬと思ったか?」
俺を担いでいる二人の盗賊にそう言い放ち、片手で首の骨をへし折る、そして声もなく死んだ。
(俺の武具を取りにいかなければならないな。)
そして俺は、俺が囚われた牢に走った。
一応盗賊達にも宗教があるのか、それとも単に邪魔なだけか、そこには墓場があった。まあ理由としては後者だろう。自慢から声が聞こえる。
THE GREAT HUNTER 黒騎士編 復讐者の章1.災禍
黒騎士編 復讐者の章
美しい話だ、騎士が悪しきモノから町を救うありきたりな美談。だが、その渦中にある者達にはそうは聞こえない。
その町は、盗賊が支配していた。領主が盗賊とつながっているからだ。それ故にこの町の者達は、暗い面持ちが多い。
早朝のまだ暗い時間帯。その入り口に、一人の男が入っていった。その男は黒いマントを纏い、それに付いていたフードを深々と被っていた、そのマントの隙間から武具を