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道後記念

こんにちは、今日もお疲れ様です。


以前、愛媛の道後温泉に旅行に行きました。

なんだかんだ旅行は温泉に限るね。

温泉に浸かるのって人生有数の「生きててよかった」と思える瞬間ですよね。冗談抜きで。

道後温泉には特急しおかぜという列車に乗って向かった。

実は初特急だったんだけど、なかなかよかった。
座席が新幹線っぽくて好みでした。

なんと言っても窓から見える海が素晴らしくて。まさに感無量というところ。


しかしそんな特急しおかぜくんの手によって、僕は手厚い洗礼を受けることになる。


最高の道後温泉巡りを終えた僕は、帰りもしおかぜくんに乗り込みリラックスして感慨に浸っていた。

そこに突如として割り込んできたのが、そう便意です。

幸いお腹を壊しているときのような強烈なものではなかったけど、かと言って無視できるほどのものでもなく。

そこで僕は、しおかぜくんのトイレを借りることにした。

特急といっても新幹線ではないので車内はそれなりに揺れる。

不安はあったけどなんとかトイレに辿り着き、ドアを開けてみると、そこには初めて見るタイプのトイレが。

高めの段差を1つ上がったところに和式トイレが備えつけてあり、前方の壁にはおそらく掴むための手すりが確認できた。

それを見て僕の不安はさらに募ったが、便意の方も譲る気はさらさらないようだったので、意を決して僕はズボンを下ろし、手すりを掴んで臨戦態勢へ。

ちょうど競馬の騎手のような体勢だった。

まるで馬に振り落とされないようにバランスを取っているかのごとく僕は列車の揺れに耐えた。

おれは武豊かよと思った。

それでもしおかぜくんの揺れは容赦なく襲ってきて、僕は早く終えようと踏ん張ったのだが、列車の揺れの衝撃が加わると、それはまた戻っていってしまうのだ。

列車の揺れの中その体勢を取り続けるのはかなり骨が折れることで、心も折れそうだった。

格闘している中で列車が駅に停まってくれるタイミングがあった。

僕はチャンス!とばかりに全力で踏ん張るが、なかなか下りていってくれない。

そうこうしているうちにまた列車が走り始め、その衝撃で少し下りてきていたそれはまた戻っていってしまった。

そんなことを何度か繰り返しているうちに酔ってしまったのか吐き気も僕を襲い始める。

そこからはまさに地獄。

温泉で感じた生きる喜びは瞬く間に生き地獄へと変わってしまった。

その後、列車が停車するタイミングでの踏ん張りを繰り返し、僕はなんとかそれを達成することができた。

死闘の疲労は凄まじく、そこからのしおかぜ旅は実に不本意なものとなってしまった。


これが僕の「道後記念」です。


最後まで読んでいただきありがとうございます!

どこかおすすめの温泉をぜひ教えてください。

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結城りんね
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