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なめろう検証

 ひょっとしたら私が世界で一番好きな魚料理かも知れない。漁師のワイルド飯、なめろう。

 なめろうといえばアジなどの青魚が定番だが、他の魚で試してはダメなのだろうか。

 例えばカツオ。
 クセのある魚だが、生姜、大葉、味噌、ネギなんか加えればクサみも軽減されるだろうし、ご飯と海苔なんかあったら最高そうだ。

 例えばホタテやマグロ。
 他にも、、、。

 やってみるしかあるまい。

三代目「やってやらぁ」

 なめろう自体の作り方は、オーソドックスなものだ。刺身を細かく叩き、おろし生姜、刻んだ大葉、味噌、ネギ、ほんの少しの醤油で味付けし、和えるだけ。

 で、完成。

華やか!マグロ、サーモンのなめろう。

 まずキハダマグロだが、ねっとりとしていて舌に絡みついてくるようで美味い!鉄分っぽい少しトガッた味かなと思ったが、思いの外まろやかな優しい美味さだ。海苔が欲しいぜ。
 マグたくにして食べるのもアリだな。

 そしてサーモンのなめろう。
 美味みの強いクセのない魚だが、生姜や味噌のおかげで、結構パンチのあるコクの強い味になっている!鮭のちゃんちゃん焼きを思い出させる味で、これは美味い!オススメできる。

上からホタテ、カツオ、イカのなめろう。

 ホタテのなめろう、衝撃である。
 味噌との相性がダントツ。甘さの強い白味噌を使用しているのだが、ホタテの甘さが味噌のおかげではるかにパワーアップし、コクも段違いだ。生姜とホタテは味がぶつかるかなぁと思ったが、とんでもない。主役級の味わいだ。

 カツオはこれ、カツオのたたきをペースト状にしたも同然で特に触れる事はないのだが、やはりクセは強いので米よりも日本酒に合わせる事をオススメする。

 イカの甘さは予想通りだが、意外と控えめ。
 不思議とイカの肝焼を連想する味である。
 食感も良いし、回転寿司でのネタと同じく爽やかな大葉がかなりいい仕事をしている。食感といい、これも酒向きなやつ。

タコ、甘エビのなめろう。

 マジで作るのが面倒くさかったぜこのタコ!
 (※罵倒と素材名のダブルミーニングです)
 細かく刻むだけで相当な手間だし、これをなめらかなペースト状にするなど夢のまた夢である。食感はもちろん良いのだが、味はそれ程でもないので、もう二度とは作らないと宣言しておく。

 さて。
 甘エビのなめろうである。
 これはダメ。 失敗!
 甘エビの甘さ、大葉の香り、生姜の刺激、味噌のコク。全てがバラバラで、一切まとまりが無いのだ! えぇ?とにわかには信じられない。素材全員が別の方向を向いてしまっている。マジで残念なヤツだ。高かったのに!

 という訳で今回は、(青魚を除いて)さまざまな刺身を叩いて七種のなめろうを作ってみたけど、結局どれも美味かったな! 
 ただ、ホタテやイカの甘さはなめろうと調和するのに、なぜ甘エビの甘さだけがなめろうと調和しないのか。コレが分からない!
 まあ、こういった謎の考察も醍醐味の一つだから面白いな。

 それにやはり、なめろうを食べてるうちに米も日本酒もたまらなく美味く感じたな。やはり日本人は米と魚なのですよ。
 幸せな検証であった。

 本日の結論。
 『サーモンとホタテのなめろうがオススメ。
 タコと甘エビはマジでやめとけ』

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