”有意差”と”因果”を混同して説明する専門家からお客さまを守るには?
こんにちは。
日本身体管理学協会事務局の新美です。
本日もnoteをご覧いただきありがとうございます。
前回は、論文引用などで使われる『数字の誤解』について書かせていただきました。
今回は、これと似たような問題について取り上げたいと考えております。
よく、〇〇専門家と言われる方の話の中で、
「〇〇大学の研究チームによると、〇〇をしたグループは〇〇をしていないグループに比べて、〇〇だった。だから、〇〇には、〇〇をした方が良い(しない方が良い)んです。」
というようなテンプレ的な説明があります。
これは、ある論文を引用をすることで、自説に説得性を持たせる手法です。
これ自体には、さまざまな問題があるのですが、
今回取り上げたいテーマは、”有意差がある”と”関係がある”は違うということです。
例えばこれは実際にある事例ですが、
「国語の成績が良い子供ほど体力テストの数値が良い。」
「算数の成績が良い子供ほど体力テストの数値が良い。」
つまり、勉強の成績と体力テストの数値の間には、正の相関関係があり、
「そこには有意に差がある」と分かったとします。
だから、「運動を日頃から行うことで、学業の成績が上がる」と言えるかといえば、
それは違います。
なぜなら、この勉強の成績と体力テストとの間には、
相関関係はあっても、因果関係は認められていないからです。
確かに相関関係はデータを使ってグラフでまとめればすぐに見出すことは可能です。
ですが、「運動を行えば、勉強の成績が上がるのか?」
といえば、答えは「No!」です。
勉強の成績を上げたければ、勉強をさせた方が効率的でしょう。
では、なぜ相関があるのに、そう言えないのでしょうか?
それは、そこには因果関係がないからです。
この事例では、改めてデータをさらに詳しく取り直してみると、
運動の成績が良い子供は、習い事を多くやるような『教育熱心な親』が背景にあり、
それによって勉強も運動も良い成績が出た、ということがわかりました。
つまり『親』という原因が、『勉強と運動の良い成績』という結果を作り出したことになります。
これをお読みの方は分かりませんが、
私は、この手の説明にはよく惑わされてしまいます。
そのため非常に注意が必要です。
では、一般の方々はどうでしょうか?
もちろん一般の方々の中にも、情報リテラシーの高い方はいらっしゃいますが、
テレビやYouTube、本などを見ていても、
「勉強の成績を上げたければ、運動をさせてください!」
というような説明がされているのを見ると、
理解しているとは言い難いのではないかと思います。
だからこそ、私たちのようなトレーナー・イントラが
積極的にこういったものを学び、
お客さまにお伝えしていくことも必要なのではないかと感じます。
そのためにも、まずは私自身がもっと科学リテラシーを高めなければと
思う今日この頃であります。
発行元
-----------------------------------------------------------------
一般社団法人日本身体管理学協会
-----------------------------------------------------------------
一般社団法人日本身体管理学協会
理事兼事務局長 新美光次
〒120-0033 東京都足立区千住寿町20−2
TEL:080-9893-4689
Mail:info@shintaikanri.com
URL:https://www.shintaikanri.com/
-----------------------------------------------------------------
#健康 #筋トレ #ヨガ #看護師 #理学療法士 #健康管理 #パーソナルトレーナー #ストレッチ #フィットネス #作業療法士 #柔道整復師 #ピラティス #体調管理 #アスレティックトレーナー #インストラクター #身体管理 #身体管理学 #身体管理指導士 #ストレングスコーチ #フィットネストレーナー