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知らない人の前で緊張する人と知っている人の前で緊張する人の違い

人前で緊張する人にも大きく分けて2つのタイプがあるように思います。
 
知らない人の前で緊張する人と、知っている人の前で緊張する人。
 
このことはプレゼンなどの人前で話す時に緊張してあがるという方の相談を受けていて、最近思うようになりました。
 
知らない人たち、自分の話を初めて聞く人たちの前で話すと、とても緊張する人。
一方で大勢のオーディエンスの前で話すのは平気でも、上司や目上の人たちが聞いていると途端に緊張してしまう人。
 
私は前者の方でセミナーや講演で話す時に緊張してきたタイプです。
ですので、後者の心理をなかなか理解できずにいました。
 
そこで両者の違いについて調べてみたり考えてみたりしたのでお伝えできればと思います。
 
人前で話すプレゼンに限ったことではなく、知らない人の前で緊張する人と知っている人の前で緊張する人、という観点で説明します。
 
対人場面の緊張に関して参考になればと思います。




知らない人の前で緊張する人と、知っている人の前で緊張する人も、他者からの評価を気にする点は同じです。
気に仕方に違いがあるのだと思います。
 
前者の知らない人の前で緊張する人は、未知への不安、すなわち経験したことのないものへの不安があります。
それは対人場面で何を期待されるかわからないことへの不安となります。
完璧主義で慎重派の人が多いと思われます。
初対面や一度きりの関係でも自分の印象へのプレッシャーを感じます。
 
後者の知っている人の前で緊張する人は、自己イメージの維持、すなわち普段の自分のイメージを損なわないようにしようとします。
過去の自分の発言や行動と一貫性を保とうするのです。
人からの期待に応え続けなければと思い、一貫した評価を得ようとします。 
自分のイメージを維持する裏には、知っている人との関係を壊したくないという関係の維持の心理があります。
ところが知らない人の前だと、一貫性を求められないため自由でいられるのです。
 
 
このような性格傾向は、過去の経験によって形成されたと考えられます。
 
前者の知らない人の前で緊張する人の場合。
初対面での批判や否定的な反応をされた経験。
学校や職場での大勢の前で失敗した経験。
そのような経験から知らない人や大勢の前での恐れを抱きやすくなるのです。
 
後者の知っている人の前で緊張する人の場合。
親しい人からの批判的な反応をされた経験。
家族や友人などから批判的・否定的な評価を受けた経験です。
そのような経験から関係がある人の評価を気にして期待に応えるようになります。
 
 
では両者が人前での緊張を改善するための対策です。
 
 
前者の知らない人の前で緊張する人の場合。
 
初対面の場面に慣れる
繰り返し初対面の人と接することで知らない人と関わることを日常的なものにするのです。
 
完璧主義を手放す
「初対面での印象は100%でなくても大丈夫」という考えを持つのです。
多少のミスがあっても相手がそれほど気にしていないことを理解するのです。
 
 
後者の知っている人の前で緊張する人の場合。
 
長期的関係だからこそ大丈夫と考える
知っている人や親しい人とは長期的な関係であるため、一度のミスで評価が固定してしまうわけではないと理解するのです。
 
関係を切り離して考える
自分の行動に対する相手からの評価が関係性を決めるわけではないと理解するのです。
 
 
いずれにせよ、両者に共通するのは、他人の軸ではなく、自分の軸を持つことだと言えそうです。
 
 
両者の違いを表でまとめてみました。

知らない人の前で緊張する人と知っている人の前で緊張する人の違い



以上、知らない人の前で緊張する人と、知っている人の前で緊張する人の違いについて説明してきました。
 
対人関係において何か参考になれば幸いです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
 
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小林いさむ|公認心理師

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