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ブログ「KHAKI DAYS」から選んだエントリを載せています。加筆・修正あり。
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2018年5月の記事一覧

通貨の話。

 最近だと仮想通貨がかまびすしいですけども。  昔、誰かが「ドラゴンボールの世界の通貨単位『ゼニー』はセンスがいい」と書いていて、架空通貨の資料が絶対にネットにあると思ったら、果たしてありました。 架空の通貨一覧  個人的に架空の通貨で思い出すのは「ゼルダの伝説」の「ルピー」だけど、これはインドやパキスタン、スリランカ、ネパールなどの通貨と同じ名前だったりする。ちなみに「ゼルダ」に出てくる「ハイラル」という地名も、中国モンゴル自治区にある地名と同一であり、「ゼルダ」は意

村上春樹の結婚スピーチ。

 「村上春樹雑文集」より、友人のイラストレーター安西水丸の娘さんの結婚式に寄せたスピーチ。式の行われた2002年当時、村上氏はアメリカに住んでいたので、メッセージを送って代読してもらうという形だったそうです。 かおりさん、ご結婚おめでとうございます。 僕もいちどしか結婚したことがないので、 くわしいことはよくわかりませんが、 結婚というのは、いいときにはとてもいいものです。 あまりよくないときには、 僕はいつもなにかべつのことを考えるようにしています。 でもいい

7番目の芸術。

 どこかで読んだのだが、映画は「7番目の芸術」と呼ばれているらしい。では、1から6の芸術は何だろうか。  調べてみたらすぐに見つかる。検索って便利だ。ちなみに答えは「絵画、彫刻、音楽、文学、舞踊、建築」(順不同らしい)以上の6つである。   一番原始的なのは、やっぱり音楽だろうか。人が声を出す事がすでに音楽だからね。  舞踊は音楽とセットだと思う。音楽があって舞踊がある、という順番じゃないかな。知らないけど。  絵画はルネサンスの宗教画において隆盛を極めるが、もっとプ

用途とデザイン。

デザインとアートを分けるもの、 それは「用途」。 デザインは基本的にある「用途」に向けて生み出されている。 だから使うための機能や空間などもすべてデザインに含まれる。 アートはもっと思想的で観念的。 それによって誰かの感情を動かしたり(自分自身でもいい)、 思想に変化や振動、強い共感などを与えることがアートの目的だろう。 それは極めて恣意的・個人的な作業であると思う。 だから広告における「アートディレクター」という肩書きは、 言葉として不正確な気がする。 アートに関し

おばあさんが座っている私に背中を向けて立っている!!

会社からの帰り道というか帰り電車というか、丸ノ内線も中野坂上を過ぎた頃。なんかあのへんは地名があやふやでナントカ中野とかナントカ高円寺とか、ナントカ阿佐ヶ谷とかあるわけですがその中のどれかと言えばどれかの駅で、小さいおばあさんだかおじいさんだかが乗ってきたわけですよおばあさんですが。 その頃私は本を読みながら新宿三丁目で得た空席に座ったり立ったりしたというか席に立つわけはないので無論座っていたわけですがおばあさんが来たのですよ。おばあさんは席を探す様子もなくて入ってきてすぐ

イナ・バウアー

イナ・バウアーが地球上にいられる時間はあとわずかだった。イナ・バウアーはついさっき自らが倒した怪獣の長い尻尾を両腕でしっかりつかむと、2度3度、その場でぐるぐると回転してから中空めがけて思いっきり放り投げた。怪獣はみるみる小さくなり、間違いなく大気圏外まで飛んでいっただろうと思われた。放り投げられた怪獣はもう地球に戻ってくることはあるまい。痛い目にあった動物がもうその場所に寄りつかなくなるように、怪獣も学習するのだ。イナ・バウアーは長い怪獣退治の経験からそのことをよく知ってい

アカシックレコード

「アカシックレコード」は永福町の路地裏にある小さなレコード屋だ。客はほとんどいない。少なくとも客の出入りしているのを見たことがない。日々の売り上げがきちんとあるのかも怪しいところだ。時々ノラ猫が退屈そうに「どれ、たまには顔でも出してやるか」といった風情で、のっそりとドアの隙間から入って行くのが確認できる程度である。いたずらに年季だけは費やしたらしい看板は西日に照らされ、刻まれているはずの屋号はほとんど判読することがかなわない。本当は何を売っている店なのかもわからない。だが「ア

出逢うこと。

つまるところ、人が何かをするのは「出逢い」を求めているのだと言っていい。 美味しい食事をしに行くのもある種の「感激」に出逢いたいからだし、本を買うのも、言ってみれば今まで自分になかった新しい価値観に出逢いたいからだ。 転職などはその最たるものだろう。自分の過ごす「場所」を変えて真新しい人間関係を再構築したい、仕事自体を変えることで新しく自分の可能性と出逢いたい。 そういった出逢いの先には何があるのか?それは「自分が変わるかもしれない」という希望だと思う。 今の自分に1

新ジャンルは侮蔑をもって迎えられる。

例えば「小説」という言葉があります。今ではそれなりに知的な印象を持って迎えられるジャンルですが、漢書を起源とする「小説」という言葉は、「取るに足らないもの」「価値のないもの」という侮蔑的な意味からはじまっています。 かように、新しいものはしばしば侮蔑をもって迎えられるようです。それは、まさに名づけをする側の人間たちが、その時点でのマジョリティ、つまり旧価値観側に属しているという構造があるからでしょう。彼らにとってみれば新しい潮流などというものは、「低俗な流行りもの」に過ぎな

マンホールの蓋はなぜ丸い?

有名な「ビル・ゲイツの試験問題」というものがあります。ちなみに本も出ています。 ビル・ゲイツの試験、つまりマイクロソフト社の入社のための問題で、それらは非常にユニークであることで知られていますね。例えば、タイトルにある問題もそのひとつ。 マンホールの蓋はなぜ丸いのか。 これはけっこう有名な問題で、答えは僕もたまたま知っていた。先に書いてしまうと、   ●四角いと、蓋が穴に落ちてしまうから がその回答。 蓋が四角いということは穴ももちろん四角いということになり、その場

印象(偏見)のみであの画家を斬る!part1

「印象のみで」というだけあって、わりと勢いつけて一発で書いてる感じです。特に調べたりもしないアドリブエントリ。詳しい人、そりゃ違うんじゃないのみたいなメールをしてこないように。 ピカソ私的代表作「ゲルニカ」 多作。とにかく多作。物理的な時間に照らして計算が合わないくらい多作。あと、上手い。上手いって言い方もあれだが。女好き。タッチの変遷がすごい。「何とかの時代」という名前を一人でいくつも持っている。上野の美術館で作品を見たが、10代の頃のがわかりやすい上手さで、年を経るに

森永博志「享楽をあきらめない」

社会や私生活の事情で、 多くの人は日々の享楽をあきらめてしまう。 日々の営みを軽んじ、一生を精神論や人生論という 五感とは関係ない理論でとらえようとする。 でも、日々にすべての事は起こり、 日々の“いつか”に人生の終わりはくる。 金は使わなければ貯まるが、 時は使わなければ消え去り貯めることはできない。 森永博志(エディター) 別にそれほど過剰じゃなくてもいいと思うが、 享楽的に生きられる人は強いし、パワーがある。 体力がないといつまでも遊んでいられないし、 また、疲れな