出逢うこと。
つまるところ、人が何かをするのは「出逢い」を求めているのだと言っていい。
美味しい食事をしに行くのもある種の「感激」に出逢いたいからだし、本を買うのも、言ってみれば今まで自分になかった新しい価値観に出逢いたいからだ。
転職などはその最たるものだろう。自分の過ごす「場所」を変えて真新しい人間関係を再構築したい、仕事自体を変えることで新しく自分の可能性と出逢いたい。
そういった出逢いの先には何があるのか?それは「自分が変わるかもしれない」という希望だと思う。
今の自分に100%満足している人はあまりいない。自分に満足していないということは、自分をとりまく人間関係に満足していないということだ。前にも書いたが、人は周りに恵まれればそれで大体OKというところがある。人間は文字通り「人の間」にしか生きていけないものであり、幸せか不幸せかというのは人間関係によるところが大きいのである。
状況を、人生を変える瞬間にはいつでも「出逢い」がある。人でもモノでもいい。一節の文章が人生を変えることだってある。思えば僕も(特に若い頃)、そういった幾ばくかの想いとともに、ドキドキしながら本屋に通っていたように思う。新しく蒙を啓かれる瞬間を待ちこがれていたのである。
もちろん空振りもあるだろう。しかし、思わぬ場所での思わぬ出逢いが、その後の長い期間に渡って自分の支えとなってくれたこともある。それは引きこもっていては出逢えないものだったのは確かだ。外に出れば、そりゃあ傷も負うし恥もかく。だがトータルで見た時にきちんとバックはあるものなのだ。要は、やらなければチャンスすらないということなのである。
すべてはそんなことの繰り返し、のような気がする。そんな率の悪い投資のようなものを「悪くない」と思えればしめたものだ。
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