「好き」は神様からの贈り物~AssHさん『ギターを始めた君に必要なこと』~
こんにちは。桜小路いをりです。
先日AssHさんの『ギターを始めた君に必要なこと』という本を読み終えました。
AssHさんといえば、AIさんやYOASOBIと共にライブツアーを回ったり、ご自身でもライブをされているプロ・ギタリストであり新世代のギターヒーロー。
私はYOASOBIのライブで2回(武道館とさいたまスーパーアリーナ)でAssHさんのギターを生で聴いています。
そのときの感動がまだ強く心に残っていて、「AssHさんがどんな思いとスタンスでギターを弾いていらっしゃるのか」に興味をもち、手に取りました。
本書は、AssHさんのこれまでのギターとの歩みと、「表現者」として生きるための心の持ち方、感性の在り方を軸とした内容です。
サブタイトルにも、「『表現者』として生きるための感性」とありますが、この言葉に少しでもドキッとした方、ビビッときた方にはぜひ読んでいただきたい一冊。
あくまでも教則本ではないので、「ギターってカッコいいけど、正直よく分からない」という方でも、安心して読めます。
私が特に印象に残っているのは、ここの部分です。
以前、私も『「好き」を書くと、自信になる。』という記事を書いたことがあるのですが、「好き」の効能をぴたりと言い当てていただいたような気持ちになりました。
「神様からの贈り物」だと思えば、よりいっそう胸をときめかせながら、好きなものに向き合える気がします。
本書を読んでいてすごくはっとしたのは、AssHさんが、どこまでも「ギターが好き」という気持ちを原動力にしていらっしゃることでした。
AssHさんって、それはそれはもう生き生きと笑顔でギターを弾く方なんです。
私はYOASOBIのライブでしか生で見たことがないので恐縮なのですが……ただでさえテンポの速くて難しい曲を、満面の笑みで演奏する姿が本当に印象的。
そこには、「ギターが好き」「音楽が好き」という気持ちがあるから、あれだけのパフォーマンスができるのかな、と。
そういえば、YOASOBI×UTの配信ライブ「SING YOUR WORLD」を振り返り生配信でのこと。
演奏中にアクシデントが起こったときの話をされていたとき、AssHさんが「なので笑顔、倍にしておきました」とお茶目におっしゃっていたこともありました。
「好き」という強固な土台の上に積み上げられた、ギターと歩んできた時間と、自信、そしてプロ意識。
それが音色の奥に見えて、音色に奥行きを添えるように響くから、AssHさんのギターの音はあんなに素敵なのかな、と思います。
聴いているだけで心が上向きになるというか、アガるというか、あったかい気持ちになるというか、笑顔になるというか。
大雑把でラフな言い方ですが、ギターのことを知らない素人でも「AssHさんって、ギター大好きなんだろうな〜!」「今、弾いててめっちゃ楽しいんだろうな〜!」って思うんです。(もちろんプロのギタリストさんなので、至極当然のことなのですが)
その「好き」と「楽しい」が聴いているこちらにまで伝わってきて、共鳴する。
その空間をさらに盛り上げて、ひとつにさせる。
これはきっと、AssHさんのお人柄と、その音色に込めるものの多さと奥行きでこそ成せることなのだと思います。
「表現者」と聞くと、どうしても「特別なひと」と感じてしまいがちですが、生きていれば誰もが、きっと「表現」をしています。
何を見て、何を聴いて、その中からどんな情報をインプットして、そこから何を紡ぎ出して表に出すか。
そのために、どうやって感性を培うか。
音楽だけでなく、言葉や絵などにも応用できるようなヒントが目白押しでした。
音楽を志す方も、他の「表現」を志す方も、ぜひお手に取ってみてください。