緊張感なさすぎ?ホワイトすぎるホワイト企業にいるが故の葛藤
うちの会社はホワイトすぎるホワイト企業です。
サービス残業は罰せられ、年間120日を超える休日があり、有休は消化しないと厳しく指導されます。
給与水準も日本の平均よりは高い位置にあります。
しかしこれ以上にホワイトすぎる仕組みによって、緊張感を失った管理職は会社の利益よりも個人の利益を優先して意思決定するようになっています。
時折書く『大企業の闇』シリーズです。
2月に行われた会議
普段は製造業に属する企業の新米課長としての気づきや、経験、考察、組織を変えるための苦悩についてnote投稿をしている『ケツアゴ新米課長』と申します。
2月のある日、緊急の会議に召集されました。
会議の内容をざっくりまとめると
3月末までに〇〇という問題を解決しないと、どうやら大変なことになる
という、よくある問題解決のための会議でした。
この会議の主催者はベテランなのに少し頼りない50台前半のW副部長。
W副部長は会議開始直後に『で、どうしましょうか?』とだけ言って沈黙。
残念ながら、何度もお願いしている
『会議の目的とゴール(どういう状態になったら会議が終われるのか?)を共有してから会議を始めましょう!』
という呼びかけは、今回もW副部長には届いていないようでした。
しばらくの沈黙に耐え切れなくなったので、僕から『えーっと。とりあえずこの会議のゴールをどこに定めましょうか?』とアシスト。
するとW副部長から衝撃的な回答が。
とりあえず何かアクションを1個だけ決めましょう!
『えぇぇ??』と声に出そうになるのを抑えて
『解決しないと3月末には大変なことになるのにアクションを1つ決めるだけでいいんですか?』
と質問しました。
ちょっと余談ですが、大好きなマンガであるBREACHの登場人物(蒲原喜助)もこんなことを言っていました。
千の備えで一使えれば上等
可能性のあるものは全て残らず備えておく それがアタシのやり方です
戦いですよ 負けたら死ぬんス
死なない為に死ぬほど準備することなんてみんなやってる事でしょう
[BREACH 73巻より引用]
ビジネスと漫画を結び付けるのには賛否ありますが『想定される被害が大きい問題ほど、やりすぎなくらいにバックアッププランを立てて挑む必要がある』と、解釈して個人的にとても大事にしている言葉です。
場面を会議に戻すと、W副部長からは『うん。とりあえず1個決めればいいから』との回答。
その後会議中に何度かバックアップ作戦を提言したりするも、W副部長の『とりあえず1個決まったからそれでいいでしょ?』で会議は終了してしまいました。
納得はいかなかったものの、僕自身は直接関係のある部署に所属しているわけではないのでW副部長が責任をもって何とかするだろうという甘い考えで放置していました。
3月に行われた会議
そして1か月が経ち、3月のある日のこと。
この続編の会議が開かれました。
W副部長が冒頭に放った言葉は
『前回決めたアクションは失敗でした。このままでは3月末が来ちゃいます。どうしましょ?』
だけでした。
言わんこっちゃない。
うまくいかなければ大変なことになるのに、アクションを1つ決めるだけじゃ足りなさすぎる。
そもそも簡単に解決するような問題であれば、初めから会議まで開いて解決策を模索する必要もなかったのです。
簡単に解決しそうもない問題に対して対策1つでは足りなさすぎる。
BREACH信者にとってW副部長の無責任ぶりにあまりに腹が立ったので、会議開始から30分は無視を続けました。
しかし会議は混乱。会議のファシリテーター(進行役)も立てていないので議論は発散。
問題の解決には何もつながらない責任の押し付け合いにすら発展していきました。
さすがに我慢しきれなくなって発言しました。
『前回の会議で1点賭けに決定して、その1つが失敗したんだから大損害を被るしかないんじゃないですか?』
『この問題に対して1つしか対策を打たないと意思決定した時点で、それが外れた場合のリスクも覚悟していたはずではないのですか?』
役職上・年齢上ともに目上の人間に投げるにはあまりに辛辣な言葉ですが、それでも責任を自覚してもらうために厳しい言い方をしました。
するとW副部長は
『じゃぁどうすりゃいいんだよ!!!!!!』
と半ギレ。
さすがに汚い言葉が出そうになりましたが、もう諦めて代案を提出しました。
W副部長の発言の背景にはまさかの・・・
結果として僕の立てたプランで被害は最小限に食い止められ、現在はこの問題は鎮火できています。
しかし、その問題解決の過程でとんでもない事実が浮かび上がってきました。
W副部長の部下に話を聞くと、この問題に対して2月の時点では以下の指示が出ていたようです。
3/16前にもう一度会議をやる。
結果は悪くてもいいから、とにかくデータを出せ。
え?
結果が悪くてもいいの?
問題が解決されないと大変なことになるのに?
そもそも3/16の日付指定って何?
まさか・・・
3/16とは、多くのサラリーマンの方にとっては馴染みがある日付ですが、春の人事発令が集中する日です。
そして今年の3/16といえば、W副部長が率いている課を後任として僕が今の課と兼務開始する日です。
あれ?これってもしかして完全に僕に擦り付ける前提で仕事してます?
立場は『副部長』ですから2月の時点で3/16の人事情報を知っていてもおかしくない。。。
完全にやられました。
大企業の闇
このnoteで使われている『大企業の闇』という言葉は、政治家を巻き込んだスキャンダルなどの意味ではありません。
倒産のリスクが低く、給料・福利厚生が充実していて、年功序列で降格人事すら存在しない大企業に根付く腐った人材のことです。
W副部長は役職が『副部長』となっていますが、実際の仕事は『課長』職です。
うちの会社のスーパーホワイト規則により、一度上がった役職はその後どんな人事異動があっても下がることはありません。
実務が課長か、それ以下の仕事になっても役職名と給料・手当は維持されたままになります。
W副部長は3月に爆発することがわかっている時限爆弾を放置したのです。
なぜなら3月にはW副部長は別の部署に異動になるから。
いくら定年まであと2年だからとはいえ、本当にやめてほしい。
怒りというより落胆の気持ちでした。
これはもうW副部長個人の問題というより、うちの会社が定めているルールの問題です。
ホワイトすぎるのうちの会社のいいところなんでしょう。
でも、この先30年間は今の会社に存続してもらわなければ困る世代にとって、このシステムは現在の日本企業を取り巻く情勢とあまりにも相性が悪いですよね。。
こんな不満を抱えながら仕事するぐらいなら、やはり転職したほうがいいのでしょうか?
『組織に存在する問題を見つけて、解決する力はどこにいても自分の価値になる!』そう信じて日々努力をしています。
が、ちょっと心折れそうになった出来事でした。
これを読んでくださったあなたがもし同じような状況で悩んでいたとしたら。
もし転職経験があって、何かをアドバイスいただけるなら。
コメントなど頂けるととてもうれしいです。
まとめ
今日はホワイトすぎるホワイト企業に所属する葛藤についての記事を書きました。
降格人事が存在せず、一度上がった給料は何をしても下がらないというルールは責任感や緊張感を失わせます。
記事に登場したW副部長のように『会社がどうあるべきか?』ではなく『個人がどうやれば楽になるか?』を基準に意思決定する人を放置することになります。
今の会社にいるべきか?悩んでいるので何か少しでもあなたからのアドバイスがもらえればうれしいと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
こちらの記事は似たテーマの記事を集めた『大企業のリアル』というマガジンにも登録されています。
大企業イメージと実情のギャップに悩みながら奮闘して改善を目指す姿を投稿していますので、もしよろしければこちらもご覧ください。
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