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小説

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#創作大賞2022

黒い羊と鬼

『黒い羊と鬼』

「鬼は外 福は内」
──あぁ、まだそんな事を楽しそうにしているのか、ここの子供達は。
そぅ感じ、十数年ぶりに帰って来た故郷である。
そして俺自身には、その言葉が可笑しくて笑いそうになってしまった。

〝鬼は内 福は外〝

それが俺の思考であった。

幼少期、ほぼ虐待と言わざるを得ないことを、されて育ったからなのか、初めから狂っていたのであろうか…もはや今、大人となった俺には、どち

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『自分の本当の心』

──今日は、年に一度のカーニバルである

何でも手に入れられ、好きに望みの叶う日だ。

しかし自分は、何が望みなのだろうか…

街の皆は、それぞれに好きなモノを手にして頬を赤らめ満面の笑みで溢れている。

幸せそうだと思った。しかし〝幸せ〝とは、なにであるのか分からない。子供である自分には理解が出来なかった。

とある老人が問いかけてきた。

「君の望みは何だい?」

しわくちゃの顔は満面の笑みに

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無と存在の地平線

──怪奇なる事象は、突然に起こる。

ある日、それは起こった。

僕は、僕でないモノになった。

──思考する魂と体は、バラバラになり、その魂は〝外のモノ〝になった。伽藍堂の器には、新たなる心〝内なるモノ〝が入った。

それは、今までと真逆の様なモノ、別の思考が始まった。

──新たなる〝内なるモノ〝が、生まれた瞬間であった。

〝外のモノ〝と〝内なるモノ〝は、肉体の記憶の概念によって繋がっていた

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『朱塗りの間』

今日は、嫌なバイト…いや手伝いか、お小遣いを貰える訳ではないが、ただ手伝いをするために人里離れた田舎へと足を向けていた。

自分は大学生で、今は夏休みである。

「お前、暇だろ?」と言われ、否定出来ない自分が悩ましくもあった。
そして呼ばれたのは同じサークルの奴の家である。厳密にいうと彼の祖父母の家で、古民家を好む彼は、その家で民宿を始めたいと思っているようで、片付けを手伝って欲しいと頼まれたので

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