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ファミリーエピソードを総動員|ワコール『下着でプチハッピー(2021年春)』優秀賞を受賞しました!!(実は2回目)

ワコール『下着でプチハッピー(2021年春)』で、優秀賞をいただきました。



優秀賞は、2020年12月から2021年1月に開催された第1回の『下着でプチハッピー』に続いて2回目になります。



まさか2回も同じ賞をいただけるなんて思ってもいなくて、喜びと同時に大変驚いています。

第1回の受賞作品『たあ君とばあば。』は、甥っ子の名言(迷言?)から生まれましたが、今回の第2回の受賞作品『雷さまと本物のおヘソと偽物のおヘソと腹巻きパンツ』は、なんと母の名言(迷言?)から生まれました。



以下、母本人の了承を得て載せています。

母は、昔も今も、サンタクロースもトトロもドラゴンボールの孫悟空も、実際いると信じています。

でも、それらの架空の人物や動物を見た経験は一度もないそうで、彼女が言うには、

「大人の目には見えていないだけで、トナカイにひかれたソリに乗っているサンタクロースも、ネコバスに乗ってるトトロも、キントンウンに乗ってる孫悟空も、実際はよくお空を飛んでいる」

とのことです。そんな彼女が、約30年前、胆石除去の手術を受けました。

退院後、その手術のキズあとを見たわたしは

「おヘソの下に新しいおヘソが出来たね。まるで、おヘソが二つあるみたい」

と軽い気持ちで言ってしまいました。それを彼女はずっと気にしていました。

そんなある晩

ピカッ、ゴロゴロゴロ

外から雷の音が聴こえてきました。母の部屋に行くと、カーテンの隙間から怯えたように外を見つめる母の後ろ姿がありました。

「お母さん、どうしたの?」

わたしが心配して聞くと

「本物のおヘソをとられたら、どうしよう?!」

と不安げな表情をしています。

「えっ?!」

驚くわたしに、母は

「雷さまが『二つもおヘソを持ってるなら、おヘソをとるのは一つだけにして、もう一つは特別に残してやろう』って。それで本物のおヘソがとられて偽物のおヘソが残されても、お医者さんは『キズあとは小さくなるから』って言ってたから、わたしのお腹からおヘソがなくなっちゃう」

と心配そうにしていました。その後、どうやって母をなだめたのかは記憶にありませんが、このセリフは、約30年経った今でもわたしの記憶に強烈に残りました。

作品の後半の『腹巻きパンツ』の部分は、『下着でプチハッピー』のテーマに合わせて完全な創作になります。

母には、以前からよく

「普段から考えている空想を書いて、小説家や童話作家になったら?」

と勧めていますが、母本人によると

「自分では当たり前の事実だと思っているから、他人から見て、わたしの考えのなにが変わっているのか分からない」

のだそうです。そんなメルヘンの国の住人である母は、今日も、ドアを開ける度に

「不思議の国に迷いこんでなかなか帰って来られなくなったアリスみたくなるんじゃないか」

ってドキドキしながら、ときには楽しく生きています。

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今回の第2回の『下着でプチハッピー(2021年春)』では、最優秀賞だけでなく、優秀賞の各作品にも、とっても素敵な講評をいただけました。

講評って、とっても嬉しいし励まされ、次の創作意欲に繋がります。

次回の募集は、秋を予定しているそうです。次も応募して、素敵な講評をいただけるようにチャレンジは続いていきます。

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