ヨーロッパ企画「ギョエー!旧校舎の77不思議」@西鉄ホール
京都の人気劇団、ヨーロッパ企画の第39回公演。なにそれ?!みたいな題材を引っ張ってくることが多い中で、今回は"学校の怪談"というだいぶオーセンティックなテーマ。しかしその量は77つもあり、それを2時間の芝居に詰め込むものだから、押し寄せる怪異の波で息が苦しかった。笑いすぎて。
舞台という制約が大きく、それでいてどうとでも使える場所を活かしまくることで77つという怪異を実現させていた。最初はただただ大笑いして、心霊大喜利か、みたいになってたけど、どんどんやってることのアイデアと次元が上がっていくから感嘆しかなかった。怖がり、笑い、唸る、そんな感じ。
怖がる教師陣と怪異チームに振り分けられたヨーロッパ企画メンバーはそれぞれの持ち場で大暴れをし、生徒役となった若手俳優たちのフレッシュな芝居がこの劇団の持つ青春性を増幅させていたように思える。ヒロインを演じた祷キララの眩しさたるや。凛としていながらとぼけた表情も素敵だった。
最終的にはどんどん混沌としてきて、それは心霊現象とかではないのでは、みたいな域に達していくのだけど、そこを押し切ってしまえるテンションが美しく、そして愛おしかった。魑魅魍魎にも思いを馳せ、楽しく愛でることでこれほど奇妙なのにキュートな舞台上の画が生まれるんだなぁ、と!
何といっても結末がとても好きなタイプのやつで。60個目くらいの不思議から酒井善史が饒舌になっていくものだから、段々とヨーロッパ企画らしい"真実かもしれないしふぉんとかもしれない"に突入していってからの流れがね!ここに着地させる作品が大好物で、しかも終演後の影ナレにまで及んでたからもうたまんなかった!
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