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オンラインで演劇を観た②(ケムリ研究室no1「ベイジルタウンの女神」/ヨーロッパ企画「京都妖気保安協会vol.4」)

9.22 ケムリ研究室no1「ベイジルタウンの女神」
ケラリーノ・サンドロヴィッチと緒川たまきによる演劇ユニット、第1回公演。7月に配信された作品が2本ともフリーキーすぎるぶっとんだ作品だったけど、こちらはまず話にちゃんと筋があった。そしてその話が実に心温まるもので!緒川たまきさんの優雅さが全編に渡って行き届いた、ほっこり素敵な人間賛歌。こういう話の運びをしつつ、台詞の節々に、なんというか、脳の未知なる部分をくすぐられるような面白さが忍ばせてあってゲラゲラ笑ってしまった。菅原永二さんが楽しすぎた。どっちかと言うとマトモなことを言ってそうな顔なのに、1番バカなのが最高だった。すごくいかれた会話をしっかり存在するトーンに変えてしまう。これがケラさんの芝居の好きな所。


9.26 ヨーロッパ企画「京都妖気保安協会vol.4 鴨川ミッドサマードリーム」(アーカイブ10.4迄)

https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2065204

ヨーロッパ企画が京都の街から発信してきた生配信劇「京都妖気保安協会」シリーズ。完結編は本拠地・京都府立文化芸術会館からの配信。このシリーズ、今夏でも屈指の面白いコンテンツであった。まずケース1が電車をひと車両貸し切って奇妙な世界を創出してしまっていて最高だった。京都の街って、京都の人もこういう風に怪奇の起こる街として楽しんでる感じ好きだ。


そしてケース2は銭湯を舞台にした作品。タイル絵×UMAという文脈なきところに文脈を作り出す面白さ!二画面を並行する演出など、創意工夫が凄い。


貴船の料亭だって彼らの手にかければ宇宙と天狗が交差するSF空間に変わってしまう。民間伝承とポルノグラフィティの相性の良さ、知ってるかい。


完結編。ステージを用意したにも関わらず、やはり普通にはやらないのがこのシリーズ。舞台全体というのが建物全体を指すパターンもあるんだなぁ。動線の緻密さがとにかく半端ない。長回し技術の向上が著しい。そして内容はもう色々全部のせで、怪奇ってほんと尽きないなぁと。鴨川沿いという地の利に彼岸を重ねたモチーフに、陰陽道もパラレルワールドも一体となったカオス空間。しかし話の展開はなかなかグッとくる。やっぱり演劇愛というのが滲まざるを得ないんだよな。何度となく並行世界に思いを馳せたコロナ禍をヨーロッパ企画が美しく回収してくれた気がする。またこの世界線で公演を観に行きたい。たまには京都妖気保安協会の皆様にも会いたいけど!


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