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コンビニ弁当をやめた理由|生活を整える吉本ばななの言葉

仕事が忙しく、帰宅はいつも23時すぎ。
部屋は仕事の資料と勉強道具でぐちゃぐちゃ。
壁際に空のペットボトルが並んでいた。
なぜか捨てることができなかった。
洗濯は週末にまとめて回し、週の後半には「あれ、パンツ足りないかも」と焦ることもしばしば。

キッチンはきれいだった。料理をしなかったから。
朝も晩もコンビニ弁当。
深夜の焼肉弁当、パスタサラダ、明太ポテトサラダ。
そんな生活を2年続け、体重は20キロ増えた。当然だ。

そんなときに、読んでハッとしたのが、吉本ばなな『おとなになるってどんなこと?』の一節だった。
ばななさんはこの本を、「自分の内面が調律できる」「お守りみたいな本」にしたかったという。

自殺が近づいて来たなと思ったら、落ち着いて生活を整えてください。朝は決まった時間に起き、なるべく体を動かし、眠れなくても早くふとんに入ってください。インターネットに費やす時間も制限し、淡白で良質なものを食べ、煩雑な人間関係やお金とか性欲にはあまり近づかないで、貯金(明子注・愛の貯金のこと)を取り戻すのです。

吉本ばなな『おとなになるってどんなこと?』

この言葉に出会い、私はようやくコンビニ弁当をやめた。
コンビニは便利だが、魂が少しずつすり減るような気がしていた。

行きたくない飲み会にも行かなくなり、会いたくない人とは距離を置いた。


吉本ばなな『アムリタ』にも、「由男、食べ物おいしい? 食べ物の味を、ちゃんと感じてる?」ではじまる、いくつかの問いかけがある。
私はこれを、自分の状態を測る指標としている。

「明日が楽しみですか? 三日後は? 未来は? わくわくする? 憂鬱? 今は? 今をうまくやってる? 自分のこと気にいってる?」

吉本ばなな『アムリタ』

20代の頃は、この質問に「うん」と答えることができなかった。
だいぶ無理してたんだなと、今なら思う。

でも、今は違う。
朝は青空を仰ぎ、食べ物をおいしく食べ、あたたかい布団で眠っている。
同居人が趣味で外国語の勉強をしているので、毎年、一緒に外国に行く。
彼との未来は楽しみだし、彼と一緒にいるときの自分のことも好きだ。


こんなに穏やかに過ごせているのは、自分史上初のこと。

生活を整え、心を整えよう。

いつも吉本ばななさんの言葉を胸に刻みながら。



余談だが、食器に興味を持ち始めたのは、コンビニ弁当をやめて自炊するようになったからだ。
そろそろ食器の記事も書いていこうかな😊

備前焼でコーヒー

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明子
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