YDAの非リターゲティング施策、実施のススメ
こんにちは。SaaS Growth Partnersです。
今回は、Yahoo! 広告ディスプレイ広告(以下、YDA)における効果的なターゲティングを紹介します。リターゲティング頼りにならない広告運用を目指したいマーケターの方必見です!
非リターゲティング施策を検討するべき理由
近年、プライバシー保護規制の流れを受け、インターネット上では、Cookieなどを用いたデータの取得に様々な制限がかけられています。広告運用における影響としては、Cookie規制に伴い、CV数が正確に計測されなかったり、リターゲティング配信での露出が減少する、などの事象が挙げられます。
特に、リターゲティングは、比較的確度が高いユーザーにアプローチできる配信手法であり、効果を見込めるものです。そのため、リターゲティングでの配信量減少は広告効果の悪化に直結する可能性があります。
これらの”サードパーティーデータの規制が大きく影響するリターゲティング”での配信に依存することは、広告効果の悪化につながる可能性が高いため、リターゲティング以外の、高い広告効果を発揮する代替施策を模索する必要があるのです。
Yahoo!でできる、非リターゲティングとは
YDAでは、リターゲティングに依存せずにパフォーマンスを最大化させるために、様々なターゲティングを拡充しています。この章では、具体的なターゲティング方法を紹介します。
オーディエンスリストターゲティングとは
オーディエンスリストターゲティングとは、様々な種類のデータソース(オーディエンスソース)をもとにしたリストを作成し、そのリストに含まれるユーザーをターゲティングして広告を配信できる機能です。
リストには、広告主が独自に作成できる「オーディエンス」とLINEヤフーが提供する「共通オーディエンスリスト」の2種類があります。
非リターゲティングの紹介
ターゲティング方法は多数ありますが、ビジネスの状況や目的に応じて、適切なものを選び、運用、評価を行うことが重要です。
本noteでは、よりリターゲティングに近しいユーザー属性の「広告アクションユーザー」「流出ターゲティング」「類似ターゲティング」「高度なセグメント」の4つを紹介します。
①広告アクションユーザー
■概要
指定した配信中の広告に対して、「クリック」「コンバージョン」「動画視聴」のいずれかのアクションを取ったユーザーのオーディエンスリストに対して配信
・サードパーティーCookie規制の影響受けずにリストの蓄積が可能
■検討事項
・アクションの種類
・有効期限(1~90日間)
■注意点
・ユーザー数は1,000UU以上で配信可能の為、ボリュームの担保が重要
・リストを一度作成すると編集不可
■活用イメージ
・認知目的やスポット配信の広告に興味を持ったユーザーへの再リーチ
・動画視聴の場合、再生割合を指定し、モチベーションが高いユーザーに絞ってアプローチ
②流出ターゲティング
■概要
Yahoo!ドメインから特定のサイトへの訪問者をターゲティングして配信
・自社サイトに訪問したユーザーに配信が可能
・競合や比較サイトなどの特定のサイトに訪問したユーザーに配信が可能
■検討事項
・対象URL(ドメイン配下のパスまで指定可能)
※一部指定できないURLあり
・訪問からの経過日数:30日以上推奨(最大63日まで配信可能)
■注意点
・ユーザー数は1,000UU以上で配信可能の為、ボリュームの担保が重要
■活用イメージ
・自社URLを指定し、リターゲティングリストの補完を行う
・競合・比較サイトのURLを指定することで、見込みユーザーへアプローチ
・比較検討層に対して、競合と比較した際の自社の強みをクリエイティブで訴求
③類似ターゲティング
■概要
オーディエンスリストに含まれるユーザーとYahoo!JAPAN内における行動の履歴が類似しているユーザーを抽出して配信
・指定したURLを訪れたユーザーと類似した行動履歴を持っているユーザーに配信可能
・類似度は1~10の10段階から指定可能
・類似度をまとめてのリスト作成も可能(例:類似度 2、3のリスト作成)
■検討事項
・利用するリスト
・類似度
■注意点
・一定数以上の対象ユーザーのリストが必要
■活用イメージ
・サンクスページに訪問したユーザー(=CVしたユーザー)をリスト化して配信
・フォームページに訪問したユーザーへの再リーチ
④高度なセグメント
■概要
任意のキーワードを登録すると、登録したキーワードをもとにした関連企業への拡張+最適化を行い、ユーザーリストを作成して配信
・登録したキーワードと、そのキーワードと関連性が高いワードを検索したユーザーに拡張してリストを作成
・その中で、アクションしそうなユーザーに広告を配信
■検討事項
・対象キーワード(25文字以内、最大50件)
■注意点
・検索期間、検索回数は指定不可
・検索ワードごとの分析レポートの提出が不可
・リストの蓄積に1~2日ほどかかる
・ユーザー数は1,000UU以上で配信可能の為、ボリュームの担保が重要
■活用イメージ
・関連キーワードを検索した顕在層に幅広くリーチ
・今すぐCVにつながらないが、興味をもっているユーザーに対してアプローチし、検討時の想起率を高める
実施前に考えるべきこと
①ターゲティングの検討
・広告配信の目的
・アプローチしたいユーザー層
・オーディエンスボリューム
・類似商材・同業界での配信実績 などを考慮して検討
②あらかじめ抑えておくべき項目
・KPI設定
└許容CPAの設定、新規流入数の目標設定 など
・検証期間
└2週間~1カ月は必要(自動入札タイプに応じて設定)
③評価の方法
・全体CVへの貢献
└非リターゲティングによって、他施策や他キャンペーンへのCV貢献の有無を踏まえて評価する
└非リターゲティング開始前と開始後の任意の期間で、アカウント全体のCV件数とCPAを比較し、評価する
・流入効率
└ターゲティングごとのCPCやCTRを踏まえて判断
(非リタゲ間の検証がベター)
事例紹介
この章では実際の弊社での運用実績をご紹介します。
通信系サービスベンダ様の実績では、RTGで獲得できなかったCVを「競合流出ターゲティング」で高CVRで獲得することができました。
また、HRSaaS商材企業様ではCV獲得にはまだ貢献していないものの、RTGと比較して「IMPベースターゲティング」で高CTR、低CPCでの流入を促すことができています。
まとめ
冒頭に述べたよう、近年のプライバシー保護の動きにより、リターゲティングによる配信量の減少が見られつつあります。それに対して、リターゲティングに代わる配信手法の実施を早めに検討、そして各アカウントでの勝ちパターンの確立が重要です。
SaaS Growth Partnersでは、SaaS企業様での配信実績や業界のトレンドを踏まえて、各社に合わせた配信手法の検討やターゲティングの設計のご提案が可能です。
実施の準備を進める中で、お困りごとが出た際にはお気軽にご相談ください!