【雄手舟瑞物語#6-インド編】旅行2日目、偽物の旅が始まる(1999/7/28②)
ツーリストオフィスのボスが来て、逃亡計画が潰えてしまった。
家から急いで出てきた様子のボスは僕を横目にフロントの男と話し始めた。そして恐らくフロントの男から事態を聞き終わった後、ボスは至って平静に「どうした?」と僕に聞いてきた。
「いや、ホテル代を払おうとしたら9千ルピーって。いくら”ミドルクラス”のホテルでも高い。」と、僕は素知らぬ顔で文句を言った。
「いくらなら良いんだ?」
「5千」
「7千だ。それ以上は安くできない。」フロントの男でなく、何もかも知っている様子