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『関係性の変化』が価値観を変え社会を変える―暮らし・都市・郊外・地方はどうなるか篇④

『関係性の変化が社会をどう変えるのですか?』

私たち摂津倉庫の女子社員4名と社会文化研究家の池永先生の未来展望委員会は、昨年2024年9月に立ち上がりました。「未来展望総論篇」「仕事と会社はどうなるか篇」につづき、『暮らし・都市・郊外・地方はどうなるか篇』で新たな未来展望をおこなっています」

摂津倉庫未来展望委員会

「本日の未来展望委員会の『暮らし・都市・郊外・地方はどうなるか篇』の第5回は、前回触れた5つの論点の5番目の『関係性の変化』が社会をどう変えるかを考えていきます」

「未来を展望するうえで重要な論点の『関係性の変化』ですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「2020年にコロナ禍がはじまり、コロナ時代5年目を迎えていますが、私たちは、現在地は、どこにいるのでしょうか?【場所革命と時間革命】のなかにいます。その人がいる場所が変わり、その場所で一緒にいる人が変わりつつあります。その人の場所と時間が変わり、関係性が変わりつつあります」

©IKENAGA.HIROAKI

「コロナ禍で、オンライン、テレワーク、リモートワークが増えて、社会全体で場所革命と時間革命が進んで、人と人の関係性が変わろうとしているということですね」

摂津倉庫未来展望委員会
©IKENAGA.HIROAKI

「時間と場所革命は『間』を変えます。間、つまり何かと何かの関係性を変えていきます。関係性は人と人の関係だけではなく、会社と家庭の関係、家と近所の関係、東京と地方の関係、都市・都心と郊外と地方の関係、子ども世代と現役世代とシニア世代の関係性を変えていきます。この関係性の変化は、人々の価値観を変え、社会を変えていきます」

「人々の価値観の変化とは『Well-Being』ですね。『Well-Being』は、佳く生きる、でしたね?」

摂津倉庫未来展望委員会

「そうです。『Well-Being』佳く生きるが、コロナ禍を契機に、基本潮流となる価値観です」

「コロナ禍を契機に、価値観が変わりだした。コロナ禍を契機としたコロナリセット『場と時間の構造』変化に伴う関係性によって、価値観を変えます。社会的価値観(人との関係性)、人の価値観(人生観・家族観・仕事観)を変えて、どう生きる?どう暮らす?どう働く?どう学ぶ?どう遊ぶ?という行動様式を変え、自らのありたい姿としてWell‐Being(佳く生きる)を実感する暮らし方・働き方・生き方を1人1人がめざそうとしていきます」

「関係性の変化が価値観を変え、行動様式を変え、1人1人がそれぞれのWell‐Being(佳く生きる)を追い求めていくのですね」

摂津倉庫未来展望委員会
©IKENAGA.HIROAKI

「そう、1人1人、1軒1軒なのです。そこで大事なのは、これまでの企業がひとつの物語を多くの人に届けるマスマーケティングではなく、100人いたら100通りのお客さまが主役の物語を綴るお手伝いをナラティブマーケティングへの転換が求められるのですね」

「ナラティブマーケティングとは、お客さまが主役の物語づくりに、企業が寄り添っていくということですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「コロナ禍を契機に、このWell‐Beingの流れが世界に拡がっています。1人1人が主人公のナラティブを綴るWell‐Beingなまちに、世界は変えていこうとしています」

メルボルンスタイル「20分生活圏(20-minute neighborhood)」

「世界の都市がベンチマークする英国エコノミスト誌の『世界でいちばん住みたいまち』ランキングで例年トップテンに入るメルボルンは、世界的建築家であるデンマークのヤンゲール氏の指導のもと、人のためのまちをめざし、長い年月をかけて洗練させて、『世界でいちばん住みたいまち』となりました」

「家を中心に徒歩や自転車やトラムを使って、健康で文化的な暮らしに必要なもののほとんど(買い物・教育・ビジネスサービス・コミュニティ施設・娯楽・スポーツ施設)に20分でたどりつける「20分生活圏(20-minute neighborhood)」『プラン・メルボルン(2017-2050)』を策定して、人が主役のまち、家を中心とするまちに変えていきました。コロナ禍前からの取り組みでしたが、このメルボルンの取り組みが、コロナ禍を契機に世界に拡がっています」

メルボルン市「プラン・メルボルン2017-2050」

「人が主役のまち、まさに1人1人が主人公のナラティブを綴るWell‐Beingなまちですね」

摂津倉庫未来展望委員会

「メルボルンだけでありません。コロナ禍を契機に、メルボルンの動きは世界に広がっています。パリでは徒歩15分で、ワークとライフにおいて必要な場所にたどり着けるまちを変えようとしています。アメリカは2050年までに徒歩10分で公園や緑地にたどりつけるようにまちを変えようとしています」

パリ市

「多くの国が、このように、1人1人がWell‐Beingを求める自らの物語を綴れるまち、家を中心に歩いてまわれるまち、寝るだけのまちから、働きつつ暮らすまちに変えようとしています」

「世界ではWell‐Beingなまちづくりが進んでいるのですね?では、日本はどうなのですか?」

摂津倉庫未来展望委員会
  出典:国土交通省

「江戸時代は城を核にまちを形成していましたが、明治以降高度経済成長・バブル経済期にまで、駅を中心としたまちを鉄道軸上に拡充してきました。しかし人口減少に転じてから、都市機能の集約を目的とした「コンパクトシテイ」「スーパーシテイ」を検討していこうとする流れがありますが、日本でもコロナ禍を契機に、Well‐Beingなまちをめざしたまちづくりが動きだしています。これから日本はどうなっていくのか、どうしたらいいのかについては、次回に考えましょう。本日の未来展望委員会は、ここらで終わります」

「本日は、世界のコロナを契機としたまちの変化などの未来展望ありがとうございました。来週もよろしくお願いいたします」

摂津倉庫未来展望委員会

【オンラインセミナーのお知らせ】
摂津倉庫 未来展望委員会が「第2回オンラインセミナー」を開催します!

12月5日(木)に開催した第1回オンラインセミナーに引き続き、「第2回オンラインセミナー未来展望委員会」を2月27日(木)に開催することとなりました。私たち未来展望委員会メンバーも参加します。池永先生が先月のクリスマスウィークにアメリカ視察を踏まえ、トランプ2.0の政界情勢から未来展望、日本の生き残り戦略を考えていきます

摂津倉庫未来展望委員会
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