暮らしが変わり、家が変わるー『暮らし・都市・郊外・地方はどうなるか篇』②
この80年で日本の家族のカタチが劇的に変わりました
「本日の未来展望委員会『暮らし・都市・郊外・地方はどうなるか篇』の第2回では『暮らし、家はどうなるか』を考えてみたいとおもいます」
1 日本の家族のイメージが変わった
「まず、家族のカタチの変容をみてみます。戦後80年で、図のように、日本の平均的家族イメージが大きく変わりました」
「そうです。みんなが言っているように、『単身ソロ化』が加速していることで、家族のカタチが大きく変わりつつあります。家というのは、代100年で、なくなるともいいます」
2 地域のカタチが変わる
「まず戦前までつづいていた、農耕産業をベースとした『伝統的日本生活文化』が消えつつあります。たとえばダンジリ祭りは農作物の収穫の御礼を神様におこなうためのものでしたが、都市部では祭りの目的、背景である『農耕産業』が消えつつあります」
「そうです。祭りのコンテクストが消えた。地域も、そう。農耕産業時代は、地域のみんなで助け合い、田植えや稲刈りをしていました。地域の人と人、家と家の関係の基本は相互扶助でした。困ったらみんなで助け合っていました」
「農耕社会から工業社会、デジタル社会への社会は変化するなか、地域コミュニティは崩れていくのは必然です。共助という関係性は弱くなっていきます」
「家はどうなるのか?単身ソロ化すると、家の位置づけ、価値観は変わります。単身者は、家への価値は『利用価値>所有価値』だとおもわれがちですが、日本の場合は『持ち家志向』はつづくと思います。とりわけ女性の「持ち家」意向は高く、家への価値観は『利用価値<所有価値』はつづくのではないでしょうか?」
3 テレワークで、家がどう変わりつつあるのか?
「家族のカタチによる変化に加えて、『テレワークの拡大』で家や暮らしが変わっていくと思っています。どう変わっていくかというと、『ライフとワークが融合して、家・住まい方の定義が変わる』ということです。これを絵にしたら、このようになります
「『ライフ(暮らし)の場』としての家に、ワーク(働く)の場、学びの場、食の場、ショッピングの場が増え、新たに「スポーツ・遊び・娯楽・医療」の場が加わろうとしています。このように住まい方の変化で、家が変わるということです」
4 暮らしの変化で、地域はどう変わる?
「地域・街には、住む家以外に、ライフを過ごすためには、会社・オフイス、保育所・幼稚園、小学校・中学校・高校、病院やクリニックなどライフサポート、飲食店、商店、工場などが必要です」
「テレワークで、ライフを過ごしながらワークする場が混ざり合い、地域で過ごす時間が増えていくと、そのための新たなサービスとともに、『地域コミュニティでの交流と学びの拠点』が求められていきます」
「地域における人と人が交流する拠点は、学びの場であり、スポーツをする・観る場であり、食を楽しむ場です。それだけではありません。ビジネス・テレワークなどのビジネスやコワーキングの場、子どもたちの遊びの場、地域の人と人どうしが物々交換する場でもあり、有事には安全・安心な場としてみんなが集まる場が、住みよい働きよい街、地域にとって必要です」
「地域には小学校があります。小学校は家から歩いていける場所に立地していて、地域にはみんなが繋がる場が必要になってきます」
「本日の未来展望委員会の終了時間がきました。本日の「暮らしと家のこれから』の議論を踏まえて、次回は『2030年に家とライフがどうなっていくのか』を考えていきます。次回の委員会の宿題として、『2030年に向けた家とライフの論点』をあげておきます。この5つの論点を事前に勉強しておいてください」
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