[ITIL入門②]プロアクティブに動く
ITIL入門シリーズ、第2回は「プロアクティブに動く」です。
利用者からの問い合わせや依頼などを受け付ける窓口のことをサービスデスクと呼びますが、ITILでは「理想のサービスデスクはコール数ゼロだ!」と言っています。
え・・・?と思われた方も多いと思いのではないでしょうか。
普通、サービスデスクのパフォーマンスを評価する時、「我々は一日に100件の問い合わせに対応しています!すごいでしょ!」といった数を裁けるサービスデスクはパフォーマンスが高いと考えがちです。
・・・が、ITILは逆の発想です。
「100件問い合わせが来るってことは、毎日延べ100人が何かしら困っているってことだよね?そもそも利用者が困らないようにしないと駄目だよね?」と考えます。
つまり、事前に対処して利用者が困らない状態を作っているサービスデスク(コールゼロ)、これが理想のサービスデスクということです。
このような考え方をプロアクティブ思考と言います。
利用者が困らないための対策としては、例えば、FAQポータルや自己解決ツールなどを用意したり、問い合わせ内容をシステム担当者にフィードバックし、システム改修などを実施する等が考えられます。
他にも、プロアクティブな問題管理という考え方があります。
実務ではよく「横展開」と言われる取り組みで、例えばAシステムのBソフトウェアでバグが発見された場合、Aシステムに対して対処を実施したとします。これで問題は解決しますが、もし他のC、D、Eシステムでも同じBソフトウェアを使っていたとしたらどうでしょうか?
今は問題が発生していなくても、将来同じ問題が発生する可能性は高いですよね?であれば、問題が発生する前に、先に対応しておこう!となるわけです。これも「困る前に先に対処しておく」というプロアクティブ思考がベースになっています。
このようにITILでは何かが起こってから対処する(リアクティブな対応)だけではなく、プロアクティブに動くことを重視している点はおさえておきましょう。
本日は以上です。ありがとうございました。
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