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滝汗ってこういうことよ

📷:距離感ありすぎな軽井沢での一枚


私の体と心は、意外とこの毎日がしんどかったみたいで、寝汗に悩まされるようになった。


夜中の3時半、ぐっすりと夢を見ていた私は首元の違和感で起きた。

まただ。

とんでもない量の汗で、半袖のTシャツはぐしょりと濡れている。

寝ぼけて夢が現実かもわからないまま、Tシャツの裾で首周りを拭いたが、裾だけでは拭き取りきれずTシャツをまるごと脱いで首周りの汗を拭く。

そのままTシャツを床に投げ捨て、タンスから新しいTシャツを取り出して着た。

胸あたりまで伸びた長い髪の毛を手で軽くまとめて首を風にさらすと、先程まで濡れていた肌が涼しさを感じた。

少し手でパタパタと風を送ったが、暑さは完全に消えず。部屋を出て浄水器を鳴らした。

冷たい水をコップ丸いっぱいゴクゴクと飲み干した後、もう一杯おかわりをしてこれもまたゴクゴクと喉を鳴らして飲んだ。

部屋に戻りながら、また手で髪の毛を上げて首元をさらす。

先ほどより、汗も心も落ち着いた気がした。

今日、朝にかけて12度近くまで気温が下がるって言ってたよなあ。

少し湿った枕カバーに「ひえ」と思いながらも、そのまま横になる。ひと仕事やってやったぜ、くらいの達成感を噛み締めて目を瞑った。

ふと、やはりベッドに横たわる時が1人のときの何よりも幸せな時間だなと考えていると、また夢の中へと落ちた


これがここ最近の私の日常だ。

子どもの頃から極端に暑がりで汗っかきだった私は、ついに寝汗までもかくようになった。

何か大きな病気でなかったことが救いではあるが、幸せな睡眠から起こされるストレスは甚大だ。

私と寝起きを共にしたことがある人ならわかると思うが、私は寝起きがとにかく悪い。

食欲よりも遊びたい欲よりも何よりも睡眠欲がとんでもなく凄まじいのがこの私だ。

私の朝は昔から尿意で目が覚めて、そのまま起き上がってお手洗いに行くことが長年のルーティーンであったが、今は尿意で目が覚めても次はTシャツを脱衣所の洗濯カゴに持って行くことへ変わった。

数時間前に寝ぼけながら投げ捨てた床の上のTシャツは、朝になってもぐしょりと濡れていた 

こうなった原因には心当たりがある。

日々の満員電車、先行きの見えない将来、好きになれない仕事、この春で社会人3年目にも関わらず相応に身に付いていることが何もないこと。

意外と大丈夫な気がしていたのに、気付かぬ間にこれらはすべてが重く深くゆっくりと私に覆いかぶさっていたようだ。

ああ、またメンタルが死ぬ。

私のつよつよになったはずのメンタルは、コロナの感染者数と反比例してどんどんボロボロになっていった。

歳のせいか、疲れると体に支障をきたすようにもなった。

特にストレスのすごい時には、日に何度も動悸が起きた。

Apple Watchに感謝しながら、安静時にも関わらず150まで上がる心拍を見てストレスはさらに加速していく。

それでも、下り坂と同じだけ上り坂があるように。

やまない雨がないように。

明けない夜がないように。

私の心も曇りばかりではない。

友人にたくさんの話をすると心は軽くなるし、家族に心配をしてもらうと安心できるし、恋人に会えば全てのストレスが吹っ飛ぶ。

私は私の周りの人たちによって生かされている。

中にはストレスの原因になるような人もいるかもしれないが、そういう人は溶けない氷がないように、これまた自然と私の目の前から消えていく。

人生はよくできている。

寝汗のせいで、喉が乾くようになった。

洗濯物の量も多くなった。

寝不足が続いている。

それでも、どうにかやっていける。

いつもより早く寝る。

朝の身支度を手抜きにする。

面倒なことには首を突っ込まない。

満員電車では好きな音楽を聴く。

家族や恋人や友人に思い切り甘える。

そうしてればきっと汗もやむことだろう。

お医者さんが言っていた。

「とにかくストレスを感じないようにね。嫌な人がいたらジャガイモだと思えばいいよ。嫌なことがあったら自分の伝記の序章に書くネタが増えたなと思えばいいよ。」

お医者さんってすごい。私が人生で一番尊敬する職業は、救命士でも消防士でも警察官でもない。

こうして患者の話を聞いてガハガハと笑ってくれるお医者さんだ。

そんなこと言われてしまったら「そうしまーす!」と返事をするしかないではないか。

もう一度学生時代をやり直すことができたら、理系を選択して医大に進みたいなと思う。

生物と化学の成績が3でも。

数2の成績が2でも。

あ、でも私生まれ変わったらホグワーツに行かないといけないから難しいかな。

あ、でもマダムポンフリーみたいに魔法界にも医療従事者はいるし。いいなそれも。

なんて考えられるくらいには元気なので、今日私はとにかく寝汗に悩まされているという話だけしたかった。

あと、寝汗は無臭だということを知ってとても驚いた、ということも付け加えておこう。


ちなみに薬は処方してもらってません。誰かいい治し方があれば教えてください。



よんぴ


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