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答えを教えない大切さ
答えを教えない大切さ……
ふと,ある記事から,振り返ってみました
学習権を奪っている
若いころ,
「関田さんは,しゃべりすぎ
しゃべっている時間は,
子どもたちの学習権を奪ってるって思いなさい」
と教えてもらったことがあります
教材研究をすればするほど,
つい,良かれと思って,
子どもたちに教えたくなってしまっていたんですね
故有田和正先生(東北福祉大学子ども科学部特任教授)も,「追究の鬼」を育てる
「はてな?」で育つ子どもたち
と言われていました
「無数の好奇心」を育てることにつながる
さて,こんな記事を手にしました
グローバル社会において自分自身と向き合う重要性
京都精華大学全学研究機構情報館長 ウスビ・サコ 先生
教育出版
教育情報誌「学びのチカラ e-na!!」vol.7(2024年10月)
この中でも,「答えを教えない大切さ」について言及されていました
「答えを教えないことは大切で,
子どもの問いと答えの間の「無数の好奇心」を
育てることにつながるのです」
見つけられない自分が悪いんだ
また,
正解はあるんだ、あるべきだ、端的に正解を速く見つけた人が賢い、という捉え方が主流です。でも、そうすると子どもの問いを立てる力が育たないし、壁にぶち当たったときにあきらめてしまいます。
物事には解決策があるのに、それを見つけられない自分が 悪いんだと思ってしまう。しかも「フレーム」で成長して きているので、枠の外に出て、あれこれと疑問をもつこと は社会の仕組みから外れるため、マイナスとして捉えられ てしまう可能性が高いです。
と言及されています
文部科学省「生きる力 学びのその先へ」
文部科学省「生きる力 学びのその先へ」の冒頭には,
学校で学んだことが、子供たちの「生きる力」となって、
明日に、そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が、どんなに変化して予測困難になっても、
自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、
それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。
とあります
主体的・対話的で深い学びの実現も,
やっぱり答えを教えないことの大切さがポイントのひとつかもしれません
「どれにする?」と選択できること
さらにこの記事の中ほどには,
これから重要なのは、学習者本位の教育だと考えています。現在の教育システムでは、カリキュラムの進行が重視されるあまり、学習者の好奇心や興味が十分に反映されていないように感じます。グローバル化の中で最も求められるのは、自分と向き合い、自分の文化を理解し、さらに自分の立ち位置がわかったうえで、他者と関わること。今の子どもたちに、どうやって自分の道を開拓していくか、自分自身で考える力をつけさせることが大事です。それをどのように教育課程に盛り込んでいくかが課題だと思います。
他国で教育を受けた先生も,
「学習者本位の教育が大切」にと考えておられます
自分自身で考える力を身に着けさせる授業にしていくのは,選択ができることがキーポイントになるのではないかと,
考えています
「これって,なあに?」
先日行われた日本LD学会第33回大会の
自主シンポジウム「よりインクルーシブな通常学級を目指して 教育のユニバーサルデザインの今後を考える」
<J2-08>UDLを経験することを子どもたちとその教員はどう捉えるか 〜UDL実践が学習者に与える影響の検討〜
川俣 智路先生(北海道教育大学)が,
UDLの話の中,似たようなことを言われていました
「これって,なあに?」
と,学びの課題が見つかり,
子ども自身がどう学ぶのか迷ったとき,
「AやB,Cの方法があるよ
なんならDもできるけど……
どれにする?」と
教師が子どもに選ばせることができるだけの用意をしておくことで,個別最適な学びが進められます
今,さまざまな大きな研究会の授業でも,
いわゆる個別最適な学びの学習であったり,
探求的な学習であったりしているようです
夏休み,神戸教組の全体研修会で話された横浜創英中学・高校の元校長工藤勇一先生も「主体性・当事者意識」の重要性とその取り組みの効果を話されていました
今は,教師の役割の転換点
今,授業の在り方,教師の役割の転換点にいます
人間は,変化に対してはエネルギーを使います
脳にも負荷がかかるので,
本能的に避けようとする働きになります
ちょっとしんどいけど,
試行錯誤のできるこの数年間で,
「もの」にしておくと,
さらに5,10年後の教師生活にゆとりが出るように
考えています