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相談電話(2) クレプトマニア
の続きになります……
対応のいくつかを立てて見ます
その前に,この状態が進んでしまうと,
思春期を超えて次のような目的や意味を
もってしまうことがあるかもしれません
・窃盗をするときのスリルや緊張感を味わいたい
・窃盗したという成功感や満足感を味わいたい
時折,警察24時などの番組でも取り上げられる
クレプトマニア(窃盗症)という精神障害です
DSM-5(アメリカ精神医学会)窃盗症より診断基準
A.個人的に用いるためでもなく,またはその金銭的価値のためでもなく,物を盗ろうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される
B.窃盗に及ぶ直前の緊張の高まり
C.窃盗に及ぶときの快感,満足,または解放感
D.その盗みは,怒りまたは報復を表現するためのものではなく,妄想または幻覚への反応でもない
E.その盗みは,素行症,躁病エピソード,または反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない
診断は,ドクターのみです
だから私は診断できません
物に対しての価値には興味を示さない
物が欲しいという目的で窃盗や万引きを
行っているわけではないので, 窃盗した物に対しての
価値などには興味を示しません
ここまで進んでしまうと,
対応も含めた専門機関の受診という
ケースになるでしょう
考えられる対応①
行為をダメなことだと教えること
ただし人格否定はしない
生徒指導の鉄則と同じですよね
行為を叱ります
ただその子どもの発達段階に合わせた言葉,
話すスピード,声のトーンを吟味する必要があります
叱られて怖いと思われ過ぎてもダメですし,
子どもが楽しいと感じることもNGです
また,
「他人の物や店の物を盗んだらあかんねん!」
と言ってしまいがちなのですが,
言葉を足して,
「ほしいな,持っていこうかなと思ったときは,
どうしたらいいと思う?」
と……
考えさせる必要があるかもしれません
例えば,
「大人の人(学年によっては,具体的に親,○○さん)に
言うんだよ」
と伝える必要があるでしょう
・まだ小さいから
・初めてだから大目にみましょう
は,避けたいです
続いてしまうからです
それは,子どもの脳は情報をすぐに,
長期記憶にするのは苦手な子どもが多いんです
時代の必須?「個別最適な学び」
少し話はそれますが,
このような記憶のシステムも科学的にわかってきたので,
個別最適な学びの時代に入ったことも
時代の必須なのじゃないかと考えています不易でいうところの,「変化のある繰り返し」で,
国語などでの表現活動では,6年,9年の間に
繰り返し取り組むような教科書の構成にもなっています
NGは,行為をエスカレートさせるスイッチ
時間が経ってしまうと記憶があいまいになって,
盗んだこと自体をほとんど忘れてしまう可能性もあるので,間髪を入れず指導したいです
背景要因に,親の気を引くなど,
心理的な原因による場合は,
「もう知らないからね!」
「どうしてこんなこともわからないの」
「あんたなんか,うちの子にいらんわ」
など,子どもを突き放すような言い方や,
人格を否定するような言葉は絶対だめです
行為がエスカレートしていくスイッチになります