
16/1,000冊目 預言って人生を狂わす→ ウィリアム・シェイクスピア(著) 『マクベス』
読んだ1,000冊を紹介しています
3年と数百万円かけて1,000冊読んでみました。
シェイクスピアの戯曲はぜんぶで37つある
シェイクスピアの戯曲は全部で37つあります。こちらの記事で一覧を設けています。
『オセロー』 ウィリアム・シェイクスピア (著)
福田 恒存(ふくだ つねあり)訳のこちらを読みました。
あらすじ

『マクベス』(Macbeth)は、1606年頃に成立したウィリアム・シェイクスピアによって書かれた戯曲です。勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就きますが、前王を殺してしまった重圧に耐えきれず、妻ともども錯乱していき、暴政を行い、最後には、復讐され殺されます。
実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしていますが、実際の話しとは大いに異なります。
『ハムレット』、『オセロー』、『リア王』と並ぶシェイクスピアの四大悲劇の1つで、その中では最も短い作品です。
ときのイングランド王国において、ステュアート家のスコットランド王、ジェームズ6世が、1603年にイングランド王国の王位を継承し、ジェームズ1世となったことがきっかけの作品です。あまりに短いので、長いバージョンの『マクベス』があっただろうと考えるひとたちもいます。
登場人物
マクベス スコットランド王ダンカンの臣下、スコットランドの将軍、後にスコットランド王。
マクベス夫人 マクベスの妻。マクベス以上の野心に実行力をも兼ね備え、夫を叱咤して悪行を重ねさせる。
ダンカン スコットランド王。マクベスを重用していたが、マクベスに暗殺される。マルカム ダンカンの長男。
ドナルベイン ダンカンの次男。
バンクォー スコットランドの将軍で、マクベスの友人。
フリーアンス バンクォーの息子。
マクダフ スコットランドの貴族、ファイフの領主。マクベスに妻子を殺され、マクベスを仇と狙う。
マクダフの妻と息子 マクダフがイングランドへ亡命したマルカムのもとへ走ったためマクベスに殺される。
レノックス、ロス、メンティス、アンガス、ケイスネス いずれもスコットランドの貴族。
シーワード ノーサンバランド伯、イングランドの将軍。
小シーワード シーワードの息子。
3人の魔女マクベスに、いずれ王になる、女から生まれた者にはマクベスを倒せない、バンクォーに、子孫が王になる、などの予言をする。
ヘカテ 呪術を司る女神。
3人の暗殺者 マクベスの指示でバンクォーやマクダフの妻子を殺害する。
マクベス夫人効果
心理学に「マクベス夫人効果(Lady Macbeth effect)」というものがあります。再現性が低く、実在が怪しまれていますが、おもしろい効果です。どういう効果かと言うと罪を犯した身体の部位を洗いたくなるというものです。シェイクスピアの『マクベス』に登場するマクベス夫人の行動が元になった効果の名前です。マクベス夫人は、夜な夜な眠ったまま、ブツブツ語り、人を殺めた手についた血を拭うために手を洗い続けます。「洗っても洗っても、落ちない血」という表現が映画やドラマでときおり登場しますが、その起源は、このシェイクスピアの『マクベス』でした。

このマクベス夫人効果は、ちなみにですが、プライミング効果のひとつと言われています。プライミング効果も面白いので、興味があれば、別アカウントで書いたこちらを参照ください。
シェイクスピアを読む気にさせるガイドブック
阿刀田高さんは、シェイクスピア、ギリシャ神話からコーランまで「とりあえずざっくり知りたい」を網羅してくれる啓蒙の雄。読みやすいし、助かります。
この本で得たもの
教養としてのシェイクスピアの知識1/37
マクベス夫人効果の意味することの理解
3人の魔女のイメージ
バンクォーとマクベスの関係という知識
動く森が面白かった。