ドラマ『Shrink-精神科医ヨワイ-』は、まさに「観るカウンセリング」で心が癒されます
”メンタルがつらくなったとき、あなたならどうしますか?”
どうしようもなく精神的に落ち込んだ経験は、誰にでもあると思います。私はどちらかと言えば”ネガティブ思考”の人間なので、日々ささいなことで落ち込むことは多い方だと思います。
もしもこう問われたら、私の場合は話をきちんと聞いてくれる夫にまずは吐き出します。それで解決できるかどうかは別な話かもしれませんが、気持ち的に楽にはなれると思うので…。
”すべての人が壁を感じずに精神科にかかる日が来ますように…”
精神科にかかった経験は、私にはまだありません。この言葉の通り、かかってみたいと思ってもどこかハードルが高く感じてしまい、ついしり込みしてきたという感じでしょうか…。
自分の周りの人間で、精神科にかかったことのある人はそれなりの数います。ただ、自分の主治医が本当に自分に合っているかどうかはみんな手探りのようで、この先生なら…!と思って通っている人は実際には少なそうな印象です。
先日スタートした土曜ドラマ『Shrink-精神科医ヨワイ-』。中村倫也演じる主人公、精神科医・弱井幸之助のような患者一人ひとりに寄り添ってくれる優しい先生ばかりなら、きっとその壁を感じずに済むのかもしれませんね。
倫也くんのほんわかした不思議キャラと穏やかな佇まい、そしてあの心地よい声が弱井役にピタッとハマっているように私は感じました。
このセリフにハッとさせられました。日本は残念ながら自殺者が多いんですね…。私もまた大切な人を自殺によって亡くした経験があるので、自殺という言葉を聴くたびにいまだに心が震えてしまいます。
「一人も命を無駄にする人を出したくない」
弱井のこのポリシーは、弱井自身もそういう経験があるからだと想像してみています。
心が疲れている人は世の中たくさんいるはずで、もっと精神科医に気軽に診てもらえる環境になれば、失われる命も減らせると私も信じたいです。
この呼び方もなるほどでした。でも人間の心の問題は一人ひとり微妙に異なると思うので、精神科医として働く医師側は”相当豊富な知識”と”人間としての器の大きさ”が必要な、かなりハードな仕事だろうと感じます。
第1話のテーマは「パニック症」。夏帆の演技が相変わらず素晴らしかったです。シングルマザーとして奮闘する中で、いっぱいいっぱいになってしまったからこそ発症した「パニック症」への説得力が増しました。
「心が弱いからかかる病気ではありません。脳の誤作動なんです」
そうなんですね…。心が疲れているから、少し休みましょうと。昔バイト先の経理の方がこの「パニック症」になったことがありました。その方は、歯の治療をしている過程で神経を傷つけられてしまい「自律神経失調症」を発症し、その後「パニック症」に。
電車通勤の途中で息苦しくなって、電車を降りてしまうことがたびたびありました。完全に電車に乗れないわけではなく、満員電車ではなく空いていれば、途中何度か乗り降りしながらもなんとかなっていました。
ご本人は当時、迷惑をかけるからと会社を辞めるかどうかかなり悩んでいました。でも社長は、仕事をこなしてくれれば遅刻等は大目に見るという考えで、ご本人は救われたと思います。
ただ弱井先生の言う通り「少し休みましょう」ということであるならば、「しばらく仕事を休む」というのが本当に必要な治療方法だったのかもしれませんね。
夏帆演じた雪村は弱井の的確なアドバイスによって徐々に克服しつつある姿が描かれていましたが、もっと時間がかかる方もいらっしゃると思うし、心の病はケースバイケースで難しいことがたくさんあると思います。
日本における精神医療は遅れているとよく言われますが、精神疾患について私たちも正確な知識を身につける必要があると感じています。そういう意味ではこのドラマは精神疾患への理解が深まるし、非常にためになるドラマだと思います。全3話予定というのが残念なほど、良質なドラマにまた巡り会えました。
第2話のテーマは「双極症」。次回もしっかり勉強させてもらおうと思っています。原作のマンガも読んでみたくなりました。