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過去の記憶が疼く町角にそれはまだあった。もう珍しくなった公衆電話ボックス。深夜にサディス…
駅前のベンチであの人を見つけるのが朝の日課。進学校の制服が似合う彼を車両でチラ見するだけ…
今夜も彼女はバス停に立っている。来るバスをどれも見送り、どこか悲しげに佇んで。夜が更け僕…
君とはしゃいだ夏の記憶を供養しに、もうすぐ閉鎖になるプールへ来た。潜った青い水に揺らめく…
壁に押し付けられ、胸を乱暴に掴まれた。痛さよりも悪ぶる彼に悲しくなる。「この体だけは名残…
夜通し駆けたバスが停まると、君は素っ気なく体を離して身支度を始めた。すり寄ってきた昨夜と…
ふわふわと浮いて塔へ昇った。空を見上げてる君を迎えに。「雲まで連れてって」って、あれ綿菓子じゃないからね。世界のてっぺんで可愛く喘ぐ君を抱く。大地を見下ろす空の下、この柔らかな温もりだけが現実。ごめん、君が寝てる間にもう少し上に行かなきゃ。今度は地上で、生身で会おうね。
船底に手を突いてギシリと君が体を起こす。「周りから見えるぞ」「もっと動きたいもん」。腕立…
遠く離れた街の歓楽街の地下。彼女はそこの受付嬢だった。サイトで出会った僕たちは遠隔調教プ…
雨が好き。濡れながら裸で佇むのはもっと好き。そんな君を紫陽花の公園へ連れ出した。人目を避…
レイヤーの君と来た、夜の遊園地の撮影会。きらめく大輪の観覧車の前でポーズを決める君は、実…
すり寄ってきた肩は、腹の下にある砂よりも熱かった。「いまごろ皆探してるかな」。遠くにダラ…
部屋から見える路地の自販機は一部で有名らしく、コートの下は全裸の女性が深夜に現れる。その…
穏やかな日常に、妻はときどき刺激を差し込んでくる。わざと無防備に晒した背中を察して、しなやかな窪みを撫で上げた。ビクッと震える女体に両手を回すと、ふくらみの先はツンと硬くなっていた。鼻先をくすぐる髪。喘ぐような吐息。「つまんで」。 退屈な午後が、ゆっくりと色を帯びてくる。
