セクシー掌編「閉じる前のプール」

君とはしゃいだ夏の記憶を供養しに、もうすぐ閉鎖になるプールへ来た。潜った青い水に揺らめく、見覚えあるビキニの柄。あの肌を何度抱き寄せただろう。懐かしい笑顔が伸ばす手を取る。戻ってこれないなと覚悟して。世界が消え、次に水から上がると、朽ちた廃墟の遊園地が夕陽を浴びていた。

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