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セクシー掌編「夜明けのバス停留所」

夜通し駆けたバスが停まると、君は素っ気なく体を離して身支度を始めた。すり寄ってきた昨夜とはまるで別人だ。弄りあったあの時間を遊びになんかしたくない。でも、さっさと降りた君は振り向きもせずキャリーカートを転がしていく。狭いシートが見せた甘い夢は、駅前の朝日に溶けていった。

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