新たな時代を切り開くのは俺たちだ!夏の甲子園4強が決定。各チームとも初の決勝進出をめざす。107年ぶりの準決勝を狙った「ミラクル大社」の夏は終わる
新時代を切り開くのは俺たちだ!夏の甲子園は佳境を迎えている。4強が決定し、いずれも初の決勝進出をめざす。どのチームが優勝しても初の頂点となる。一方で強豪を次々と破って快進撃を続けた「ミラクル」大社(島根)の夏が終わった。107年ぶりとなる準決勝を狙ったが、終盤に突き放された。頂点に立つのは、どこか。夏のドラマはさらに熱を帯びる。
19日に行われた準々決勝の第4試合。優勝候補を下すなど勢いに乗る大社は、鹿児島の神村学園と対戦した。
初回に幸先よく1点を先取した大社打線。一度は逆転されたものの、四回に同点に追いついた。なお無死二、三塁の絶好機。ここで勝ち越せば、チームの活気がさらに増す。
しかし2つのセカンドゴロで、三塁走者がいずれもホームでタッチアウト。神村の好守に阻まれて追加点を取れなかった。直後に神村に勝ち越されると、終盤に5点を奪われて、2-8と敗れた。大社の夏が終わった。
それでも大社の今大会での快進撃は、高校野球ファンの心に深く刻まれただろう。初戦で選抜準優勝の報徳学園(兵庫)を破りチームは勢いづいた。3回戦の早稲田実(西東京)とは延長十一回までもつれたが、エースの馬庭優太投手の投打の活躍でサヨナラ勝ちを収めた。
甲子園で3勝を挙げ、最多だった1917年の第3回大会の2勝を上回った。大社の歴史を見事に更新した。温かい拍手を送りたい。
今大会も残すは準決勝と決勝のみ。勝ち上がった4校は神村学園のほかに、関東第一(東東京)、京都国際、青森山田の顔ぶれとなった。
青森山田は初の4強進出だ。神村は2年連続、京都国際は3年ぶり。そして関東第一はオコエ瑠偉選手(現巨人)が活躍した2015年以来9年ぶりの準決勝進出となる。
どこが勝ち進んでも夏の甲子園初の決勝進出となる。まだ見ぬ新世界へと船をこぎ続けるのは、どこか。
神村学園が代表となった鹿児島はこれまで夏の甲子園優勝がない。青森県勢も同じだ。そもそも東北勢で優勝したのが2年前の仙台育英(宮城)が初めてなのだから。
関東第一が代表となった東東京勢の優勝は、1995年の帝京が最後だ。そして京都国際が代表となった京都勢は1956年の第38回大会の平安(現・龍谷大平安)以来、67年も遠ざかっている。
まさに勝ち上がった4校は地元の高校野球界で、さらなる地平を切り開こうとしている。新時代を作り上げるまで「あと2勝」だ。
準決勝は21日。神村学園対関東第一、そして京都国際対青森山田のカードとなった。若者たちの青春ストーリー。選手たちの成長はまだまだ続く。夏のドラマは輝きをさらに増していく。ニューヒーローはどのチームか。熱い視線で見守っていきたい。