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運を味方にできる人は強い。ソフトバンクの5年目、石塚選手が勝利をもたらすプロ初適時打。育成出身の23歳。2軍落ちのピンチを脱出。ポトリと落ちる決勝打

運を味方にできる人は強い。ソフトバンクの5年目、石塚綜一郎選手が値千金のプロ初適時打を放った。育成出身の23歳。2軍落ちのピンチをかいくぐって、チャンスをものにした。小久保裕紀監督も「今いるメンバーで断トツに上にいる方」と太鼓判。パリーグ優勝へマジック減らしが進んでいる。その先のポストシーズンへ貴重な戦力になるはずだ。

8月31日に敵地千葉で行われたロッテ戦。1-1の同点で迎えた六回表の攻撃。2死二、三塁の場面で、石塚選手に3打席目が回ってきた。この試合、2打席までは凡退。チームに勝利を、そして自分自身をアピールするためにも絶好の舞台だ。

右打席に立つ背番号55。スラッガーに期待が託された。石塚選手は相手左腕の144キロのストレートを強振。打球は詰まりながらも、レフトとショートの間にポトリと落ちた。2死なのでスタートを切った走者2人が生還して、勝ち越しの2点タイムリーとなった。

一塁ベース付近で大きく右腕を突き上げた石塚選手。プロ初の適時打となった。詰まった当たりながら、ラッキーなヒットだ。

石塚選手は秋田市出身。高校は岩手の黒沢尻工高へ進んだ。1年春から三塁手として出場し、2年秋から正捕手に。甲子園出場はなかったものの、3年時には夏の岩手大会で36年ぶりに4強に進む原動力となった。

2019年のドラフト会議でソフトバンクから育成1位の指名を受けて入団。プロ1年目の2軍や3軍戦で結果を積み上げていった。本職はキャッチャー。しかし自慢の長打力を生かし、チャンスを広げるために一塁や三塁、外野も守ってきた。

そして今年の7月24日に念願の支配下登録をされた。これで1軍出場の道が開かれた。

8月14日に初めて1軍に昇格すると、21日にプロ初安打と初本塁打をマーク。一度は2軍落ちとなる予定だったが、1軍の選手に体調不良者が出て残留となる幸運もあった。

そして、8月最後のロッテ戦で初のタイムリーを放って、チームに大きなインパクトを与えた。幸運ともいえる1軍残留、そしてポテンヒットでのタイムリー。石塚選手は「ラッキーマン」の感がある。

本人も「この世界で生き残るには運も大事と言われている。チャンスだと思ってやるだけ」と前向きな姿勢が漂っている。

石塚選手のタイムリーが決勝打に。4-1で競り勝ち、優勝マジックを17に減らした。小久保監督は「育成から支配下になって、この1打席にという思いは、今いるメンバーでは断トツに上の方」と期待を寄せている。

チームはリーグ優勝へマジックを17に減らした。そして日本一へ向けてポストシーズンの戦いが近づいている。ポストシーズンは短期決戦。勝ち抜くには実力だけでなく、運も大きな要素となる。

長打力と運を兼ね備えた石塚選手は、ソフトバンクにとって貴重な戦力となるだろう。「ラッキースラッガー」石塚選手の今後に注目だ。

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