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恩返しができる人は格好いい。西武に移籍1年目の元山選手が逆転サヨナラ打。2軍時代に面倒を見てくれた金子選手が引退表明。感謝の思いをバットに込めた

恩返しができる人は格好いい。西武に移籍して1年目の元山飛優選手(25)が逆転サヨナラ打を放った。2軍時代に何かと面倒を見てくれたベテランの金子侑司選手(34)が現役引退を表明。感謝の思いをバットに込めた。この日、元山選手は自身初の1試合4安打を放って、去り行く先輩のために恩返しを果たした。なんて格好いい恩返しなんだろう。

9月の暦となった1日。ホーム所沢で日本ハム戦に出場した元山選手。7番一塁でのスタメンだった。

この日、西武一筋で現役生活12年の金子選手が現役引退を表明した。2度の盗塁王に輝く韋駄天だった。

元山選手は昨年オフにヤクルトからトレードで西武に移籍した。今季2軍生活を送っていた時に、何かと面倒をみてくれたのが、金子選手だった。

ファームの遠征の時には必ず食事に連れて行ってくれた。新しいチームに溶け込むのは、ストレスのかかるもの。その中で、金子選手が気をかけてくれたおかげで、チームに入っていきやすかった。

打撃面でもアドバイスをもらえた。元山選手は「なんでこんなに可愛がってくれるんやろ、っていうぐらい可愛がってくれた」と振り返る。

この試合の朝に、金子選手から引退する連絡を受けた。そして「打てよ!」と発破をかけられた。

恩人が引退を表明する日に負けるわけにはいかない。4-5と1点を追う九回裏2死満塁の場面で元山選手に打席が回ってきた。

カウント1-1からの3球目。144キロの真ん中のストレートを引っ張った。打球は右中間を深々と破る。2者が生還して、逆転サヨナラ打となった。

元山選手にとって、最高の形での恩返しだろう。この日、自身初となる1試合4安打を放った。金子選手も喜んでいるに違いない。

恩返しをするのは、ちょっと照れくさい。それでもお世話になった人に、何らかの形でしたいもの。恩返しをする人は格好いい。元山選手のサヨナラ打を見て、改めて思った。

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