スーパースターは偉業のタイミングに恵まれている。ドジャース大谷選手が「40-40」達成。九回にサヨナラ満塁ホームラン。甲子園の決勝日とかぶることなく「大谷デー」に
スーパースターは偉業のタイミングに恵まれている。ドジャースの大谷翔平選手(30)が40本塁打、40盗塁の偉業を達成した。なんといっても絶好のタイミングでの達成。九回満塁の場面でサヨナラ本塁打を放っての快挙だ。日本で行われた夏の甲子園決勝の翌日だったため、スポーツニュースはまさに「大谷デー」となった。大谷選手は「もってる男」だ。
23日(日本時間24日)にホームのロサンゼルスで行われたレイズ戦。大谷選手はこの試合までに39本塁打、39盗塁と、偉業までそれぞれ「あと1」とリーチをかけていた。
まずは40盗塁の達成だ。四回の第2打席。ショートへのボテボテのゴロを打ったが、快足を飛ばして内野安打に。まさに「韋駄天」ぶりを発揮した。
そして一塁走者として、相手の左腕アレクサンダー投手の投球モーションを完全に盗んで二盗に成功。足でヒットを生み、盗塁を決めた。「俊足劇場」ともいえる40盗塁到達だ。
そして試合は3-3の同点で九回裏に突入。2死満塁の場面で、大谷選手に打席が回ってきた。前の打者は四球での出塁。四球の後の初球は狙い目だ。
そして、大谷選手はセオリー通りに初球を振り抜いた。相手左腕ポシェ投手が投じた135キロの低めのスライダー。大谷選手のバットが一閃すると、打球はセンター方向へ。センターフェンス手前で打球は落ちそうに見せたが、そこから、もうひと伸びした。
相手のセンターがフェンス際でジャンピングキャッチを試みるが、その上を通過して、フェンスオーバー。劇的なサヨナラ満塁ホームランとなった。まさに野球漫画の世界のようだ。
ドジャースのホームゲームのため、ファンは大歓声。試合を決める一発が今季40号となった。メジャー史上6人目となる「40本塁打、40盗塁」の達成だ。
40本塁打、40盗塁を同じ日に決めたのは、大谷選手が初めて。しかも「40-40」を126試合目で達成したのは史上最速。これまでの最速147試合(2006年、ナショナルズのアルフォンゾ・ソリアーノ選手)よりはるかに早い。
そして、大谷選手の達成日がベストタイミングだった。前日は日本では夏の甲子園決勝が行われ、京都国際が初優勝を達成していた。
ドジャースがこの日に試合をしていれば、大谷選手の「40-40」と甲子園決勝がかぶっていたかもしれない。ただ、ドジャースはこの日、試合がなかった。甲子園決勝の翌日に「40-40」を達成したため、大谷選手が野球関連のニュースを「独占」する形となった。
まさにスーパースターはタイミングに恵まれている。2死満塁とサヨナラの場面で打席が回ってきたこと。同じ日に野球の大イベントがなかったこと。大谷選手は「もってる男」だと言っていい。
「40-40」が初めて達成されたのは1988年。アスレチックスのホゼ・カンセコさんがマークした。この年のワールドシリーズは、アスレチックスとドジャースによる頂上決戦。そしてドジャースが7年ぶり6回目の世界一に輝いている。
初めて「40-40」が達成された年に、ドジャースが世界一となった。それならば、ドジャース選手初の「40-40」がマークされた今シーズンも、ドジャースがワールドシリーズ制覇を達成するかもしれない。
大谷選手は「もってる男」だ。ドジャース移籍の1年目にチームを世界一に導く可能性は十分にある。
「40-40」大谷選手の打球の軌跡は「世界一」へと向かっている。
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