侍ジャパンの「白星請負人」。プレミア12。ソフトバンク・栗原選手が2試合連続の決勝打。死球による欠場明けに勝負強さを発揮。2次リーグでも28歳のバットに期待!
侍ジャパンの「白星請負人」と言っても過言ではないだろう。国際大会「プレミア12」で、ソフトバンクの栗原陵矢選手の快音が響き渡っている。死球による欠場明けに2試合連続で決勝打を放つ勝負強さ。1次リーグを5戦全勝で1位通過した立役者だ。2次リーグでも28歳のバットに期待が高まる。大会連覇へ侍ジャパンが上昇気流に乗っている。
18日に台湾で行われたドミニカ共和国戦。先制しては追いつかれ、勝ち越された後に追い付く。2-2で迎えた五回表。日本は2者連続四球で出塁して、無死一、二塁のチャンス。
ここで栗原選手が左打席に立った。カウント1-2からの4球目。152キロの直球が真ん中に入った。栗原選手が中前へ弾き返した。センター返しの低い弾道。高校野球ならば、お手本と言われる打球だろう。
これで3-2と1点を勝ち越した。その後、日本は勢いに乗って11-3と大勝。栗原選手のタイムリーがドミニカ戦の決勝打となった。
前日のキューバ戦では激しい点の取り合い。栗原選手が決勝点となる犠牲フライを放って、打撃戦を制した。
栗原選手は今大会の2試合目(韓国戦)で右ひじに死球を受けた。翌日の台湾戦は大事を取って欠場。プレーできなかったうっ憤を晴らすように、キューバ戦、ドミニカ戦で決勝打を放った。
プロ10年目の栗原選手。今季はソフトバンクで140試合に出場し、打率2割7分3厘。自己最多の87打点をマークして、チームのパリーグ優勝に貢献した。
圧倒的な勝ちっぷりで日本シリーズに進出。1、2戦目を制して日本一も確実と思われたが、そこからまさかの4連敗。強力打線は3戦目以降、沈黙が続いた。打線の急ブレーキが敗因の一つとなった。
栗原選手にとって、日本一を取り逃した以上、侍ジャパンで世界一を奪取する。その思いが2試合連続の決勝打につながっているように思えるのだ。
どんな形でもしっかり得点につなげる。日本シリーズの教訓だろう。キューバ戦の犠牲フライといい、ドミニカ戦の低い弾道のタイムリーヒットといい、まずは得点するのに意義がある。栗原選手のバットが、そう叫んでいるようだ。
侍ジャパンは4チーム総当たりの2次リーグに進出する。ここからは東京ドームが舞台だ。まずは21日の米国戦。栗原選手の勝負強さに期待がかかる。
どんな形でも得点を。そして1点ずつでも積み上げていく。その先に侍ジャパンの大会連覇が見えてくる。「白星請負人」の栗原選手のバッティングに注目だ。