勝ち続けることがいかに難しいか。夏の甲子園。今春の選抜8強以上で残っているのは1校のみ。夏の主役はどこか。春8強の青森山田か。ニューヒーロー誕生か。伝統校の復活か
勝ち続けることがいかに難しいか。夏の甲子園を見ながら、改めて思う。今春の選抜8強以上で勝ち残っているのは、春8強の青森山田のみとなった。8強進出校のうち、夏も聖地に戻ってこられたのが、半分の4校。春からの強さを維持するのは簡単ではない。では今年の夏の主人公はどこか。青森山田か。ニューヒーローか。復活の伝統校か。
今春の決勝進出校は2校とも聖地に戻ってきた。優勝した健大高崎(群馬)と準優勝の報徳学園(兵庫)。さらに選抜8強の大阪桐蔭と青森山田も勝ち上がってきた。
一方、春の甲子園4強の星稜(石川)、中央学院(千葉)、8強の阿南光(徳島)、山梨学院は地方大会で涙をのんだ。
夏の聖地に戻ってきた4校にも苦難が待ち受けていた。報徳学園は32年ぶりに夏の大舞台に返り咲いた大社(島根)に1-3と初戦敗退を喫した。
夏の甲子園で初戦を飾ったのは、健大高崎、大阪桐蔭、青森山田の3校。しかし2回戦が行われた14日に、2校が聖地を去ることに。
第1試合で春の王者、健大高崎が智弁学園(奈良)に1-2と逆転負けを喫した。1-1のまま終盤にもつれ込んだが、九回に決勝点を奪われた。
第2試合では、選抜8強の大阪桐蔭が、小松大谷(石川)に0-3と零封負け。小松大谷の西川大智投手はわずか92球の完封劇。夏の甲子園で大阪桐蔭から完封勝利を挙げる初のピッチャーとなった。
春の8強以上を下した大社、智弁学園、小松大谷は選抜の舞台に立っていない。「夏こそ」の思いを胸に鍛え上げてきた。
これで選抜8強以上のうち、勝ち上がっているのは青森山田のみだ。2回戦の初戦で長野日大に9-1と大勝。次戦は栃木の石橋と対戦する。
春の強豪が続々と去っていく中で、夏の主人公はどのチームか。青森山田が勝ち進み東北勢2校目となる全国制覇を達成するか。
ニューヒーローが誕生するか。茨城の霞ケ浦は今夏3回目の甲子園出場。これまで初戦敗退が続いていたが、強豪の智弁和歌山を延長11回で下して、うれしい初勝利を挙げた。「3度目の正直」でつかんだ白星。このまま勢いに乗ることも十分に可能だ。
福岡の西日本短大付は2回戦の菰野戦で13-0と大勝。今夏甲子園2勝目を挙げた。1992年の第74回大会で全国制覇をして以来だ。 ユニホームの胸には「西短」。伝統校が完全復活へ上昇ムードだ。
春の強豪が去っていくのは寂しい。それでも夏のドラマは激しさを増していく。夏の主人公はどのチームか。楽しみは尽きない。