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ヒーローが去った後は、新たなヒーローが生まれる。西武のドラ1ルーキー武内投手が無傷の4勝目。防御率1.27でリーグトップに浮上。チーム屈指の大砲を失った後の救世主に

ヒーローを失った後には、新たなヒーローが登場するものだ。西武のドラ1ルーキー武内夏暉投手(22)の快進撃が続いている。交流戦では中日相手に六回途中無失点の好投で無傷の4勝目。防御率1.27でリーグトップに浮上した。昨季オフにFAでチーム屈指の大砲を失った西武。しかしルーキー左腕がチームの救世主となっている。

30日に名古屋で行われたセパ交流の中日戦。西武が初回に先制点を奪う。そして、この日先発の武内投手が直後のマウンドで三者凡退に抑える。いずれも内野ゴロ。打たせてアウトを取る。守備陣との連携もばっちりだ。

五回に内野安打に自らのエラーなども絡み、1死一、二塁のピンチに。しかしルーキーは落ち着いている。中日の代打ビシエド選手をセンターフライ、先頭打者の岡林勇希選手をファーストゴロに打ち取って、無失点。

この試合、5回3分の2を89球投げ無失点。許したヒットは4本。奪三振は4で無死四球と安定感漂うピッチングだった。

リリーフ陣が相手打線を封じて、西武が3-0で快勝。武内投手は4勝目を挙げた。新人の無傷の4勝はチーム史上初の快挙だ。そして防御率1.27となり、リーグトップに浮上した。

武内投手は福岡の県立高校を卒業後に国学院大学に進学。2年秋には明治神宮大会で九州産業大相手に8回2死までパーフェクトピッチングを続けた。3年秋のリーグ戦では、MVPを受賞。4年生になると大学生の日本代表にも選ばれた。

そして昨年のドラフト会議で西武、ソフトバンク、ヤクルトがドラフト1位に指名された。西武が交渉権を獲得して入団。鳴り物入りのルーキーだった。

それでも、入団1年目からここまで活躍してくれるとは。西武は新たなヒーローを手にした。

昨季オフにチーム屈指の大砲だった山川穂高選手がソフトバンクに移籍。大砲を失った影響は大きく、今季のチーム打率2割1分3厘、得点122はいずれもリーグワースト。チームは最下位にあえいでいる。

打てないチームを救うべく、ドラ1ルーキー武内投手が好投を続けている。

山川選手がソフトバンクにFA移籍したことに伴い、西武は当初、ソフトバンクのベテラン左腕、和田毅投手を獲得する予定だったが、断念する事態となった。しかしルーキー武内投手がこれだけ活躍してくれるので、結果的には正解だったかもしれない。

ヒーローが去った後に、新たなヒーローが生まれた。組織とはこうして回っていくものなのだろう。

武内投手の二けた勝利、ルーキーの防御率タイトル獲得が楽しみだ。「救世主」武内投手のさらなる活躍に期待している。

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