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たった1年でサヨナラするのはつらいけど。楽天・今江監督の退任が決定的。球団20周年目のBクラス止まりが原因か。チームは着実に成長していたのに
たった1年でサヨナラするのはつらいけど。楽天の今江敏晃監督(41)の退任が決定的となっている。今季は2年契約の1年目。球団20周年目のアニバーサリーイヤーだったが、楽天は今季もBクラス止まりに終わったのが要因とみられる。チームは目立った戦力補強もない中で着実に成長していた。来季の楽天に明るい希望は見えている。
楽天は昨季まで2年連続4位とBクラスに留まっていた。球団20周年目の今季。なんとしてもAクラスに入りたい願いが強かった。
そこに白羽の矢が立ったのが今江さんだった。12球団最年少の40歳での就任。兄貴的な存在としてチームをまとめる役割を託された。
チームは守護神の松井裕樹投手が海を渡ってメジャーリーグに舞台を移した。チームとしてはかなりの痛手。新指揮官は、長く先発で活躍してきた則本昂大投手をクローザーに配置転換した。
この仰天起用は「吉」と出た。則本投手はクローザー1年目にして32セーブを挙げ、パリーグのセーブ王に輝いた。
6月には交流戦で球団初となる優勝に輝いた。球団20周年目の偉業と言っていい。
先発投手陣は、エースの役割を期待された左腕、早川隆久投手が自身初となる二けた勝利(11勝)を達成。プロ4年目の藤井聖投手も急成長し同じく11勝を挙げた。
ただ楽天はポストシーズン争いが激化する9月に、まさかの8連敗と失速。ロッテとの競り合いに敗れて、今季も4位に終わった。67勝72敗4分け。優勝したソフトバンクとは23.5ゲーム引き離された。
これで球団側は来季の今江監督続投を要請しなかったようだ。退任が決定的となった。球団20周年目でなければ、こんな憂き目にあわなかったかもしれない。
海の向こう、米国のメジャーリーグでは、監督が1年で退任した翌年に、世界一へ輝いた例がある。
2012年にボストン・レッドソックスは本拠のフェンウェイパークが100周年目の節目の年だった。監督にはロッテ時代に日本一へと導いたボビー・バレンタインさんが就いた。しかしチームはアリーグ東地区最下位に終わり、わずか1年で解任された。
翌年、新たな指揮官を迎えたレッドソックスは上原浩治さんがシーズン途中からクローザーをまかされるなど、飛躍的に成長を遂げ、世界一へと上り詰めた。
楽天の今江監督がわずか1年で退任となるのは寂しいが、チームは確実に成長している。来季こそ、4季ぶりのAクラス入りを果たせるかもしれない。
たった1年で今江監督とサヨナラするのはつらいけど、来季の楽天の大躍進を期待したい。