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引き際を決めたのは早かった?今季限りでの引退を表明したヤクルトの青木選手。2試合連続代打でヒット。大リーグのレジェンドはラストシーズンに打点王獲得

引き際を決めたのは早かったのではないかと思う。今季限りでの現役引退を表明した青木宣親選手(42)のことだ。今月13日に会見を行い、現役生活に別れを告げると発表していた。しかし18日から代打で登場すると2試合連続ヒットを放っている。青木選手はチームの精神的支柱でもある。まだまだ選手として残ってほしいという声が多いのも当然だ。

青木選手はプロ21年の大ベテラン。日米でヒットを積み重ね、日本ではシーズン200安打を2度達成した唯一のバッターだ。安打製造機ともいえる巧打者だが、今季はバットが湿っていた。8月5日には1軍登録を抹消されていた。

今月18日に1軍に復帰すると、ホームの神宮球場で行われた広島戦で、代打で登場。センター前へヒットを放った。そして翌日も五回に代打で起用されると、三遊間を抜ける技ありのヒットを生んだ。

青木選手がヒットを放ったイニングでは2試合とも得点を奪っている。まさに流れを呼び込む安打となっているのだ。

SNS上では、青木選手の活躍に引退撤回を求める多くの声が寄せられている。あと1年はできるのではないか。来季いっぱいを「引退試合」とすべきだという投稿もあった、

ここで思い出すのは、メジャーリーグのレジェンドのラストシーズンだ。ボストン・レッドソックスで3度の世界一へ貢献したデビッド・オルティスさんだ。

オルティスさんは現役時代に通算541本塁打を放つなどしてアメリカ野球殿堂入りを果たしている。上原浩治さんがクローザーとして活躍していたころ、チームが勝利するとベンチ前で上原さんを自分の肩まで担ぎ上げる場面は有名だった。

2015年オフに来季いっぱいでの現役引退を表明した。そして迎えた翌年のラストシーズン。127打点の大活躍で打点王に輝いている。球団側はオルティスさんが引退を撤回することも想定して、契約延長オプションを行使していたという。

オルティスさんは長年アキレス腱を痛めていたため、引退を撤回しなかったが、球団は背番号「34」は永久欠番として、オルティスさんの長年の活躍をたたえた。

青木選手のここ2試合でのヒット。相手は優勝争いを繰り広げている広島だ。最下位のヤクルトがこの2試合でいずれも勝っている。青木選手はチームに勝利をもたらす起爆剤となっているのだ。

「打てる時は打てるんですね。なんか不思議な感じはしますけれど」と話す青木選手。一度現役引退をしてから、復帰する選手は少なからずいる。青木選手もその一人であってほしい。

青木選手はオルティスさんと違って、ケガを抱えているわけではないだろう。グラウンドに立つのが苦痛でないならば、もうひと花咲かせてほしい。

引き際を決めたのは早かったのではないか。こういう状況ならば、一度決めたことを翻意しても、誰も責めはしない。むしろ「ウェルカム」だろう。

青木選手が来季も現役を続けてほしい。ユニホームを脱ぐには、まだ早い。

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