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相手がなでしこだったら…。サッカー女子W杯でスペインが初Ⅴ。日本はイングランドのようなミスをしなかっただろう

相手がなでしこだったら…。そんな思いでサッカー女子ワールドカップ(W杯)の決勝を見た。スペインが前半に挙げた虎の子の1点を守って初優勝を成し遂げた。相手のイングランドのミスに乗じて奪った決勝点。日本なら、そんなミスを絶対にしなかったはずだ。

20日にオーストラリアのシドニーで行われた決勝はスペインとイングランドが相見まみえた。どちらが勝っても初優勝となる一戦。

前半からスペインがボール支配率で上回っていた。ただしボールを持たされている印象。イングランドは相手が前がかりになれば、DF陣の裏を突く戦法で得点機をうかがった。

それはまるで、なでしこがグループリーグのスペイン戦で見せた戦法に瓜二つに見えた。なでしこが4-0で圧勝した際に取った作戦だった。

スペインの先制点は前半29分に生まれた。イングランドの選手がセンターサークル付近でボールを長く保持していた。それをスペインが奪うと一気にカウンターに出た。

スペインはボールを左サイドに展開すると、FWの選手が攻め込む。そこへDFオルガ・カルモナ選手が駆けあがってきた。カルモナ選手がボールを受け、ペナルティエリア内の左から左足でシュート。ボールはゴール右隅へ突き刺さり先制点となった。

センターサークルでスペインがボールを奪った場面がリプレーで放送される。「なでしこだったら、ここでボールを奪われることはなかったはずだ」。私は即座に思った。

もしも、あの場面でなでしこだったら…。司令塔のMF長谷川唯選手がボールをキープしていたシーンを想像した。あそこでスペインの選手がボールに詰め寄ってくる。長谷川選手は瞬時に味方選手にパスを送っていただろう。

イングランドの選手は右から左サイドに向けてドリブルを続けていた。判断が遅い。あれではスペインの選手に奪われるのも無理はない。長谷川選手なら、相手守備陣の裏にパスを供給していただろう。ビッグチャンスが生まれていたかもしれない。

長谷川選手の状況判断の早さ、パスの正確性は、今大会でも秀でていた。ここまでパス回しで優秀な選手がイングランドにいただろうか。

正直、女子のイングランド代表は男子代表に似て、小刻みなパス回しが苦手そうに見えた。昨年の欧州選手権の女王だが、なでしこの方がパス回しは正確無比のように思えた。

そして攻め上がっても、イングランドにフィニッシュを決めきれる選手が見当たらなかった。そこで2つ目の想像をした。

今大会5ゴールを挙げて得点王となった宮沢ひなた選手だったら…。イングランドはサイドからクロスを上げる場面があったが決めきれない。宮沢選手なら、うまく合わせてゴールネットを揺さぶっていたのではないか。

宮沢選手は今大会で5ゴールを奪った。そのうち2点はスペイン戦で挙げている。この決勝の舞台に立っていても、得点を生んでいたように思えるのだ。

女子決勝を見ながら、「なでしこだったら…」と思う場面が随所にあった。それほど、今大会で、なでしこジャパンは華麗なプレーを見せ続けてくれた。

スペインは、ドイツに続き、男女でW杯を制したチームとなった。日本も女子が2011年に世界一となっており、男子が頂点に立てば、3チーム目となれる。なでしこは8強で今大会を終えたが、優勝チームなどに見劣りしない戦いぶりだった。

サッカー日本代表。女子も男子も、さらなる活躍を見せてほしい。いつか男子も女子もW杯を制したチームとなってほしい。

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