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「もう一度ライオンズの伝統を輝かせる」。西武のコーチに元巨人の仁志敏久さん。現役時代通じて初のパリーグ。「石の上にも三年」?ノムさんも弱小ヤクルトの再建に3年がかり

西武は昨季リーグワーストのチーム打率で最下位に沈んだ。そこからの立て直しは容易ではない。現役時代に巨人などで活躍した仁志敏久さん(53)が西武の野手チーフ兼打撃コーチを務める。「もう一度輝かせる」と決意表明。復活には何年かかるか。ノムさんこと故野村克也さんは弱小ヤクルトを再建するのに3年かかった。やはり「石の上にも三年」か。

東京都内で21日に行われた球団の全体会議。1~3軍の監督とコーチの計24人が出席した。

新指揮官の西口文也監督(52)は「守り勝つ野球をめざしていく」と宣言。「新しいコーチには今までにない新しい風をライオンズに吹き込んでもらいたい」と期待を込めた。

西武の野手チーフ兼打撃コーチを務めることとなった仁志さんは、まさに新しい風を送り込む貴重な人材だ。

現役時代は巨人や横浜(現DeNA)でプレー。思い切りのいい打撃で定評があった。指導者としてはDeNAの2軍監督、侍ジャパンのコーチなどを経験してきた。

巨人の選手時代に西武とは2002年に日本シリーズで対戦している。巨人が4勝0敗で日本一を奪還するのに貢献した。

そして今季からの西武のコーチ。現役時代も含めて、仁志さんがパリーグのチームのユニホームを着るのは初めてだ。

この日の全体会議で仁志コーチは「もう一度、ライオンズの伝統を輝かせたい」と力を込めた。

初のパリーグでの活動を前向きにとらえている。「新しく入った人間だからもてる新鮮さを選手に伝えながら、足りないところを伸ばしていきたい」

組織の問題点は外部にいる人の方が客観的に見られる。これまで西武でプレー、指導してこなかったからこそ、まっさらな状態で物事を見られる。チーム再建にふさわしい人だろう。

まっさらな状態から指導してのチーム再建。「ノムさん」こと故野村克也さんを思い出す。現役時代は南海(現ソフトバンク)、ロッテ、西武でプレー。引退後は評論家の活動に取り組んでいた。

そのノムさんが監督のオファーを受ける。声を掛けてきたのがヤクルトだった。これまでずっとパリーグのチームでプレーしてきたノムさん。セリーグは初めてだった。

「チームを3年で優勝させる」。ヤクルトの指揮官に就任した。1年目は5位、2年目は3位、そして3年目で約束のセリーグ優勝を果たした。まさに「石の上にも三年」といえる。さらに翌年には日本一へと導いた。

西武は昨季、パリーグワーストのチーム打率2割1分2厘と貧打にあえぎ最下位に沈んだ。2年連続のBクラスと低迷し、リーグ優勝は2019年までさかのぼる。復活をめざしても容易ではないだろう。

劇的な変化を望むのは酷かもしれない。仁志コーチの新しい風を受けた選手たちが着実に成長していくしかない。

ライオンズの復活も「石の上にも三年」?じっくり慌てずに、西武の再生物語にエールを送りたい。

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