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希望はつながった。女子カーリング。フォルティウスが日本選手権Ⅴ。延長にまでもつれる大激戦。9月の五輪代表候補決定戦へ。SC軽井沢、ロコ・ソラーレとの巴戦に臨む

希望はつながった。女子カーリングの五輪への険しい道のり。フォルティウスが日本選手権を制した。延長にまでもつれる大激戦。9月に行われる五輪代表候補決定戦へ名乗りを挙げた。SC軽井沢、ロコ・ソラーレとの巴戦に挑む。来年行われる「イタリア」五輪の切符は?「氷上のチェス」の道筋はまだまだ複雑だ。

横浜市で9日に行われた日本選手権の決勝。2次リーグ1位のフォルティウスはシードされて、決勝へ一足早く到達していた。そして前日の準決勝でロコ・ソラーレに快勝した北海道銀行が勢いに乗って勝ち上がってきた。

頂上決戦は第1エンドから競った展開に。最後に残ったフォルティウスの黄色のストーンと北海道銀行の赤色のストーンが中心からほぼ同じ距離に。メジャーで計測し、わずかに北海道銀行が近かったため1点を先制した。

その後はシーソーゲーム。前半は3-2とわずかに北海道銀行がリードして折り返した。

フォルティウスは第7エンドに3点を奪い逆転。しかし北海道銀行は第7、8エンドで1点ずつ奪い、5-5の同点。第9エンドにフォルティウスが2点勝ち越しても、第10エンドで北海道銀行が2点を奪い返して再び同点。

7-7のまま決着がつかず、延長戦に突入した。この大会には五輪出場の可能性がかかっている。勝てば希望がつながり、負ければ望みは絶たれる。それだけに、選手たちの精神力と集中力がぶつかり合って、ギリギリの展開となったのだろう。

延長となった11エンド。北海道銀行のラストショットは相手のストーンを弾き出して、自らのストーンを円の中心に残そうとした。しかし、自らのストーンは円の端の方へ。

フォルティウスの吉村紗也香選手が最後のストーンを中心付近へ止めるドローショットを決めて勝負あり。大激戦の末、フォルティウスが優勝した。

これでフォルティウスの五輪出場の望みはつながった。そして9月に行われる五輪代表候補決定戦へ駒を進める。昨年の日本選手権優勝のSC軽井沢、そして五輪2大会連続メダルを手にしているロコ・ソラーレとの巴戦だ。

フォルティウスは3月の世界選手権に出場する。ここで好成績を挙げて、国別の代表枠を手にしないといけない。出場権を得られなかった場合、9月の代表候補決定戦を制したチームが、12月の五輪最終予選を戦うことになる。

では五輪代表候補決定戦に臨む3チームは、どこが有利なのか。今季の対戦成績で比較すると、ロコ・ソラーレが一番優位に立っている。フォルティウスには3勝1敗、SC軽井沢には2勝0敗だ。フォルティウスとSC軽井沢は1勝1敗。

ロコ・ソラーレにとっては、今大会で自分たちが優勝するのが一番だったが、準決勝敗退。決勝でフォルティウスが勝ってくれてホッとしたかもしれない。

ロコ・ソラーレは北海道銀行に苦手意識をもっていたのだ。今季の成績は2勝6敗。今回の日本選手権でも準決勝などで2連敗だった。難敵の北海道銀行が準優勝で五輪代表候補決定戦に進めなくなった。ロコ・ソラーレは気持ち的に有利となっただろう。

女子カーリングの五輪への道はまだまだ険しい。日本は出場権を勝ち取れるのか、そして、どのチームが出場するのか。「氷上のチェス」の道筋は、まだまだ読めない。だからこそ、ワクワクする。

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