山中源兵衛 髀肉之嘆

金属工芸の専門店「清課堂」の七代目。初代源兵衛は天保九年(1838年)、錫(すず)師として京都寺町二条に創業しました。以来、錫を主に銀・銅を用いて暮らしの金属工芸品をひろくつくり続けています。https://www.seikado.jp/

山中源兵衛 髀肉之嘆

金属工芸の専門店「清課堂」の七代目。初代源兵衛は天保九年(1838年)、錫(すず)師として京都寺町二条に創業しました。以来、錫を主に銀・銅を用いて暮らしの金属工芸品をひろくつくり続けています。https://www.seikado.jp/

マガジン

  • 工芸雑感

    日々の暮らしのなかで思う、工芸や手仕事、手工業などについて書きつらねています

  • 從工具中了解錫師的工作

    我們是一家經營金屬工藝品製作與販售的家族企業。在這個百元店裡什麼都可以買、使用電腦、掃描機和列印機什麼都可以做的時代。我紀錄下從前輩們身上所繼承下來的智慧和巧思,希望成為大家再一次認識、思考用雙手和工具製作物件這件事的契機。https://www.seikado.jp/

  • 道具から知る錫師のしごと

    家業として営んでいます、金属工芸品の製造販売業。百均でなんでも買い揃う時代、PC、スキャナーとプリンターでなんでも作れる時代です。手と道具を駆使してモノをつくることをあらためて知り、考えるきっかけになればとおもい、先人から受け継がれたわざ、知恵と工夫を書き記しています。

最近の記事

枝先の柿/職工を目指すために~おまけ

進路に悩む学生たちの”好きなことを仕事にしたい”という言葉について、なかなか簡単にお悩み解決とはいかないのですが、先人たちの残した言葉にそのヒントがあると思います。うまく言い得た言葉をいくつかご紹介します。 「高い目標を設定し、日々できること、しなければいけないことを地道にやる。それが苦にならないのは、好きなことをやっているからだ。by イチロー」 好きなことをやっているから苦にならない、というのは解りやすいですが、高い目標設定と習慣づけ・地道な修練は、工芸にもそのまま当て

    • 枝先の柿/職工を目指すために ~ その3

      金属工芸(金工)に携わる生き方もさまざま。正解は無いと思ますし、前回紹介したクラプトンのような世界の頂点に立つことを想像することは大切だと思います。でも一方、せっかく好きな道を選択したにもかかわらず、どうしてだか実際に作家として歩み出した人からは、不満や不平が聞こえてきます。それが先(その1)にかいた「好きなだけでは食べてゆけない」という理想と現実論です。でも、かなりぶった切った言い方をすれば「好きならそれでええやん」というのが私の考えです。 こんな生き方はどう思われますか

      • 枝先の柿/職工を目指すために ~ その2

        日ごろ職場のスタッフにも勧めているのが、就業後の自己研鑽や創作活動です。私の職場にも正社員だけでなくパート・アルバイトや研修生など様々な立場の人がいますが、中でも正社員については定時の終業時間以降や休みの日を利用して、公募展に出展する作品を作ったり技能向上を目的とした練習を奨励しています。シリーズその1で書いた通り、スポーツと同じく練習を続けないと間違いなく力は低下します。”続けること”かつ”負荷をかけてやること”が大事なので、中でもとくに公募展への出品は最も効果の高い研鑽と

        • 枝先の柿/職工を目指すために ~ その1

          美術系の大学をはじめとして、学校で金属工芸を学んだ学生さんたちから将来の進路について相談をうけることもしばしば。卒業した後の行方については、多くの方々が悩みを抱えているようです。"工芸"を仕事にしたいと考えてらっしゃる若い方へのヒントになればと、私の考えを書き記します。 その前に、仕事についてあらためて考えておく必要があると思います。一昔前と違って、いまは働き方もまちまち。仕事とはこうあるべきという考えは現代にはもうないかもしれません。ただし、 「憲法27条1項 すべて国

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          7本
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          5本
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          8本

        記事

          修理の難しさ

          ”モノを大切に永く使う”を信条ともしているので、修理やメンテナンスはメーカーの務めであり責任だと考えています。一方で、修理を依頼される方がイメージされている修理と、メーカーのイメージしている修理とがかけ離れていると、トラブルの元になるので注意が必要です。 道具やうつわの修理・メンテナンスは、人間で言うところのお医者さんによる、手術をはじめとした外科治療に相当します。 修復 学術用語としての修理文化財保護法では,第四十三条に「修理の届出等」という項目があります。学術的にみて

          水引に見る、日本文化の画一化

          地域によって時期にズレはありますが、お歳暮の季節になりました。 清課堂では御進物品に対して、熨斗掛けをうけたまわっております。ここで大事にしているのは、お客様がお住まいの地域の習わし。冒頭でも触れさせていただいたように、贈り物には日本全国津々浦々、さまざまな形態があります。私どもでは、お祝い事の熨斗は基本的に「あわじ結び」です。 ところが昨今、「ネットでこう書いてあったから」と、地域性を無視したご注文をいただくことが多くなっています。せっかくマナーをお調べになり、受け取ら

          水引に見る、日本文化の画一化

          錫的輝耀 ~ 炭

          在「輝耀」系列中,介紹了如何製作光彩耀人的金屬工藝品(主要是錫)。接下來,我認為必須要提到的則是「炭」和「草」,這次我們將介紹「炭」。 研磨的理論 在「從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 研磨實作」篇中也稍微提過,研磨指的是用粗號數的研磨工具,循序至細號數研磨,盡可能減少表面凹凸。以圖說明: 金屬具有不透光、使光彈開、反射的特性。凹凸面越少,光線越不會漫射,且更能產生美麗的光澤。 一般常見的,研磨菜刀等工具的磨刀石,石如其名,是非常硬的東西,換言之,是用於研磨如鐵或鋼的硬物。

          雄蝶雌蝶 ~神聖な酒器と雌雄を持つ装飾~

          ひやおろしや秋あがりなど、日本酒が美味しい季節になりました。今の時期は結婚式など祝い事の多いシーズンでもあります。 皆さまは、婚礼の三々九度で用いられる酒器と、それらを装飾する蝶飾の由来をご存知でしょうか? よろしければ、酒の器にまつわる話を肴に、晩酌などお楽しみください。 婚礼の三々九度 身を清める神酒を男女共にいただき、九重に盃を重ねることで、永遠の契りを交わす三々九度。儀式では、神前に酒を捧げた瓶子(へいし・御神酒徳利)から加え提子(かえひさげ:くわえひさげ)へ

          雄蝶雌蝶 ~神聖な酒器と雌雄を持つ装飾~

          錫的輝耀 ~ 篦(壓光棒)

          關於「研磨」,金屬材質與其他土或木不同,具有反射光能與閃亮的特性,大多數的金屬在研磨後會變得越來越亮。 我記得小時候撿起空瓶碎片第一次研磨的事情。用砂紙打磨,仔細地依序將蠶豆般大小的玻璃片從粗糙研磨到細緻。使用水泥表面粗磨之後,用約400號左右的砂紙磨擦。一開始是表面粗糙,接近全白的粗製品。一邊參考理科漫畫,一邊依照紙的目數細度進行,我認為最後大概拋光到2000號。姑且不論做工如何,研磨過的玻璃片變得閃閃發光。 雖然金屬表面的研磨方式有很多種,但是上面所提及的研磨法特別常

          錫的輝耀 ~ 篦(壓光棒)

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 研磨實作

          這次,實際進入「車刀」等刀具的研磨實作,我在研磨時所使用的磨刀石主要有五種,雖說只是磨刀石,可是從便宜到昂貴,各式各樣的磨刀石皆在市場上販售。我平常所使用的是從雜貨店或居家用品店入手、相比之下較便宜的磨刀石。 關於磨刀石 畢竟研磨物件的數量很多,對磨刀石來說容易耗損,因此比起小心翼翼的使用優質的磨刀石,我使用很多便宜的磨刀石,而我愛用的品牌是「油石王(KING DELUXE STONE)」。 如下圖,從荒物(200號~300號)到細物(1000號~2000號)為止的順序介

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 研磨實作

          酒のうつわいろいろ

          これを書いているのが2020年6月上旬、世界を襲った新型コロナウィルスの流行まっただ中。日本では政府の発令した緊急事態宣言も解除となり、ほんの少しだけ落ち着きの兆しが見えたようなこの頃です。(このnoteは後世に残しておく記録なので、このような書き起こしになることお許しください)。 強制力のない外出自粛とはいえ、政府の要請にしたがって多くの人が自宅で時間過ごすことを強いられたと思います。私なんぞはほぼ毎日、仕事の合間に大好きな料理に勤しんでおりました。保存食を駆使して毎食の

          酒のうつわいろいろ

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 刀刃製作

          上次在「從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 基礎」篇中介紹到使用「轆轤和車刀」切削器物使其成形的方式,相較於利用土或沙製模,將熔化的材料注入成形的「鑄物」,或是使用鐵鎚或木槌鍛敲成型的「打物」,這樣的物件被稱為「挽物」。 這次,將繼續介紹上次「挽物」所使用的「車刀」,在此之前曾經說過製作一件器物需要使用到很多種的車刀。 車刀的製作方法 即使是切削比較軟的金屬材料「錫」,也需要一定程度的硬度,因此車刀是用硬的鐵-「鋼」來製作。現在所使用的刀胚是委託鋼材加工的刀具鍛造廠商製作,只要

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 刀刃製作

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 基礎

          我認為大多數的手工藝都會使用到其專屬的工具,我們錫師的工作也是一樣的,每天使用各種工具,勤奮的製作。 而具代表性的工具之一為「轆轤」。 其用於讓器物旋轉,再使用刀具切削,利用磨石等研磨材料來打磨器物。與陶瓷所使用的轆轤相比,不同之處在於旋轉軸為水平方向;與木工所使用的轆轤相比,相異之處在於器械多固定在同一個地方。 這樣的轆轤擁有非常簡單的構造,只是將器物固定在軸上旋轉而已,現在工坊使用的是用馬達動力旋轉的轆轤。 關於轆轤的部分有機會再來介紹 這次,要介紹的是切削最重要

          從刀具研磨開始的錫師工作 ~ 基礎

          すずのきらめき ~ 刃

          きらめきシリーズ最終回は、刃物により生まれる輝きについてご紹介します。金属工芸の世界では様々な刃物が登場しますが、今回は「きさげ」について。きさげは、工芸のみならず、金属加工全般で見られる道具、工法なので、比較的(とはいってもかなりマニアックですが)広く知られているものです。 きさげ作業自体がどのくらい知られているかというと、厚生労働省認定の国家資格「仕上げ技能士」の重要な審査科目であったり、同じく厚生労働省「技能オリンピック」の「貴金属装身具」部門の審査科目でもあったり、

          すずのきらめき ~ 刃

          すずのきらめき ~ 草

          おそらく金工・工芸にご興味ある方にお読みいただいているとおもうのですが、金属のきらめき→「草」ときいてピンとこられた方がいらしたら、かなりの工芸ツウでしょう。今回はそんな草のおはなしです。 木賊(とくさ) 辞書で調べると、『トクサ。北海道から本州中部にかけての山間の湿地に自生するが、観賞用などの目的で栽培されることも多い。表皮細胞の細胞壁にプラントオパールと呼ばれるケイ酸が蓄積して硬化し、砥石に似て茎でものを研ぐことができることから、砥草と呼ばれる』とありました。 木賊

          すずのきらめき ~ 草

          山中源兵衛 自己紹介

          源兵衛。なんだか聞きなれない昔のひとの名前ですね。その通り、江戸時代の終わりころから、初代の山中源兵衛から数えて7代ずっと、家業を継ぐものがこの名前を引きついできました。 余談になりますが、ここ京都には「山○源兵衛」という有名な老舗のご主人がお二人おいでになります。室町の呉服の大店「誉田屋」さんの山口源兵衛さまと、伏見の銘酒「神聖」で有名な蔵元の山本源兵衛さま。うちのように吹けば飛ぶような零細事業所とは大違いで、どちらも名実ともに京都を代表する老舗のご主人でかつ人望もあつい

          山中源兵衛 自己紹介