洗濯物クロニクル/量から質への転換に関する考察
あれから8ヶ月。
洗濯物を畳むのが苦手である私は末法思想への着眼から根本的な洗濯物の畳み方を習得すべく、日夜洗濯物を畳んできました。
時には形が崩れて再び指摘を受け、時には畳んだ先から子どもたちの襲撃を受けて畳み直し、日々タンスに衣類を仕舞いながら洗濯物の真理を目指して参りました。我が家の軍曹が受傷してからは日常の家事育児の多くを私が担当しておりますから、必然的に洗濯物を扱う回数も増加しております。
そして遂に、天啓を得る時が来ました。
あ、この形だ…!と。
気付けば綺麗にタンスに収まる形に衣類を畳めるようになってきました。少しずつ安定性が増して、さらに畳む速度も徐々に上昇しています。苦手なことでも繰り返していると、量をこなすうちに不意に質の変化が現れることがあります。
量から質への転換です。
高校時代の物理学の恩師がよく言っていたことを思い出しました。
何か思い出しませんか?
そう、弁証法的唯物論ですね!!
ヘーゲルの弁証法には多くの批判もありますが、質と量に関する考察はサルトルからの批判も含めて非常に示唆に富んでおります。
少々古い文献ですが、参考に添付させていただきます。
(高柳茂. 質と量について. 哲学. 1957: 7; 55-61
https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1957/7/1957_7_55/_pdf/-char/ja )
日常生活に落とし込みますと、雑にやっていたのでは変な癖がついてしまいますが、なるべく素直なやり方で継続していると、量をこなすうちに質が急に上昇する瞬間が訪れるように感じます。技術に関することならコツを掴むと言い換えてもいいでしょう。
そうして私の洗濯物畳みスキルは、長年の下積み期間を経て人並みに追いついてまいりました。
人には得手不得手というものがあります。得意なことを伸ばすのはもちろん重要な戦略ですが、苦手なことでも続けていると、良いことがあるかもしれません。
人との比較よりも、過去の自分との比較を。
きっと明るい未来が訪れます。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の取り組みが質への転換期を迎え、素晴らしい未来が訪れますように。
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