「話を聞いてくれない」とは何か。
パートナーが話を聞いてくれない。
比較的多い悩み相談のひとつです。タイトルに関する考察と、実用的な対策について触れていきたいと思います。
コミュニケーションは人間関係の基本ですから、そこから関係が拗れたり、心が離れることも往々にしてあります。率直に冒頭のフレーズが「相談」として出てくることは稀で、漠然とした悩みを紐解いていくとこの問題が浮かび上がってくるのです。
このフレーズを発したのが女性か男性かによって意味合いが変わってくるのも興味深いことです。女性は「話を聴いてくれている感じがしなくて不満だ」というニュアンスのことが多く、比して男性は「自分の話が相手に伝わっていない感じがして不満だ」という訴えになることが多いと感じます。両者は似ているようで微妙に異なる不満の表現型です。
問題の根本は何処にあるのでしょうか。
そもそも女性同士の会話と男性同士の会話は基礎構造から大きく異なり、互いに完全に理解し合うことは困難です。傾向として、前者は話したいことを話し共感を求めるのに対して、後者は会話の着地点を有し解決策を求める場合が多いでしょう。勿論それは傾向であって全てに共通する法則ではありませんが、根本的な姿勢の差異を理解することは、日常生活においても有用です。
話し手に求められる工夫は、男女に限らず「結論を最初に明言する」ということです。
最初に結論を伝えることで、相手の「聴く姿勢」を促すことができます。
この結論とは話の着地点に限らず、「解決策が欲しいわけではない」「自分の考えをまとめるために話をしたい」といったことでも差し支えありませんが、「ただ話を聴いてほしい」という要求は相手に相当の(時間的および精神的な)余裕がなければ受け入れられることは難しいでしょう。
聴き手に求められる工夫は、「自分の考えを話す前に相手の話を受け止める」ということです。
端的には「共感」があるかどうかが決定的な差になります。これがあるかどうかで「話を聞いている感じ」がグッと変わってきます。例えば話を聞いた上で自分の感想や自分の話を始めたとしても、それは相手に伝わりません。話をまとめようとしたり解決策を提案したりしても、それは「聴いてくれた感じ」には繋がらない。
これは「傾聴」の基本姿勢ですが、実際には聴き手に余裕がないと非常に難しいことです。
テクニックとしては「相槌」「真剣さ」「共感」「ねぎらい」などが挙げられますが、小手先のテクニックよりも重要なのは相手への興味です。これが欠落すると、どこか無味乾燥なコミュニケーションになってしまうものです。
振り返ると話し手は、初めに伝える結論部分で相手の興味を刺激できるかどうかが重要です。
まとめます。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の話が聴いてもらえる世の中でありますように。
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