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書くということ

私は、まだ青臭く幼いままであるから全ての集結点が死へと辿り着く結末以外のそれ以上の美しさが分からない。
亡霊たちが嫌悪する性への憧憬を切り裂くために常日頃から死を連想させていた。
推敲を重ねた美しい文体よりも殴り書きのメモの方がその姿を描写している。
放棄した身体を堕落が蝕んでいく月日を重ねて延命のために息をしているみたいだった。
詩を書いて歌いながら過ごしたいのに死を書いて狼狽していたなんて云うのは後日談でしかなくて私の狭い世界に閉じ込められていたのは紛れもなく私だけだ。
何か面白い仕掛けを駆使して得体の知れない気味悪さを取り除くために色々に手を出しては飽きてしまって呆然としていた。
ただ私の傍にいたのは思想であり思想だけが私自身を証明しているのなら、それをすくい上げて保持していかなければならなかったため活字を少しずつ書き留めることにした。

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